三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は5月10日、「FUSO」ブランドが5月に誕生から90周年を迎えたことを発表した。
FUSOブランドの起源は、1932(昭和7)年5月、当時の三菱造船の神戸造船所で製造された三菱初代のガソリンバス「B46型乗合自動車」が「ふそう」と名付けられたことに遡る。
中国で、ムクゲ(ハイビスカス)を意味し、「日の出るところにあると伝えられる大きな神木」として、古来より日本の異称としても使われていたという「ふそう(扶桑)」。その名前が、このバスに与えられた理由は、同造船所の技師が①「日本の代表としてふさわしい」②「日本と三菱を象徴する簡単な和名」③「語呂が滑らかで誰にも親しみをもたれ、イメージが深く頭に刻み込まれる」として、社内公募により決定されたからだと云う。
MFTBCは、創業90周年を前にした2021年、FUSOの新たなブランドスローガンとして「Future Together」を掲げ、自動車業界が大転換期を迎えるなかで、このスローガンの下、顧客と共に商用車の変革をリードし、安全かつサステナブルな輸送ビジネスという未来を目指していくとしている。
[FUSOブランドの歴史]
1.はじまり
1932年、三菱造船株式会社(現在の三菱重工業)神戸造船所が車体7メートル、38人乗り(6気筒7L、100馬力のガソリンエンジン搭載)のバス「B46型乗合自動車」を製造。鉄道省(当時)へのこのバスの第1号納車を記念して、バスの愛称を社内公募した結果、「ふそう」が採用された(初のFUSOブランド)。
2.ブランドの確立
第1号に続いて、「ふそう」の愛称はガソリンエンジンの4トントラックKT1(1946年)、日本初の大型キャブオーバートラックT380、日本初小型バスのローザ(1960年)等の主要商品に次々と使用。その後、昭和期の日本の経済高度成長に合わせて、トラック・バス共に小型~大型のフルラインアップが出揃い、経済発展の一翼を担っていく。
3.現在、そして未来へ
2003年、三菱自動車工業から分離された商用車部門が「三菱ふそうトラック・バス」として、ダイムラー・クライスラー(当時)の一員として新たにスタート。
2006年春にはダイムラー・クライスラー内で組織されたトラックグループに入り、現在はダイムラートラック社の一員として、170以上の国と地域でFUSOブランドのトラックとバスを販売。ブランドラインナップにあって、小型トラック「キャンター」は、多くの国でトップシェアを獲得。2017年発売の日本初の量産型電気小型トラックの「eCanter」は、商用車の電動化を牽引する役割を担っている。
MFTBCは、FUSOブランドがこれからも顧客に愛されるよう、「品質・環境・安全」を最優先に商品開発をしていくとしている。