日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は12月7日、「2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤー (JCOTY)」の各賞を発表した。
今年度のイヤーカーは「トヨタ プリウス」が獲得。また、輸入車部門は「BMW X1」が、デザイン部門は「三菱 デリカミニ」が、そして技術部門は「日産 セレナ」がそれぞれ獲得した。
44回目となった今年度は、2022年11月1日から2023年10月31日までに日本国内で発表された全34台の乗用車がノミネートされ、自動車評論家やジャーナリスト、有識者からなる60名の選考委員による第一次選考で、上位10台の「10ベストカー」を選出。その中から、同選考委員による最終選考投票により、今年度のイヤーカーが決定した。
[選考結果]
■日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024
トヨタ自動車「トヨタ プリウス」
■インポート・カー・オブ・ザ・イヤー
ビー・エム・ダブリュー「BMW X1」
■デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー
三菱自動車工業「三菱 デリカミニ」
■テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー
日産自動車「日産 セレナ」
■実行委員会特別賞
日本自動車工業会(自工会)「ジャパンモビリティショー2023」
<授賞理由>
■日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024:トヨタ プリウス
ハイブリッド車(HEV)のパイオニアであり、長く牽引役、推進役を務め続けたプリウスが、5代目にしてついにその殻を破り、ブレークスルーを図り新しいフェーズへ移行。首脳陣からはコモディティ化を進める案も出たが、開発陣の熱意により、クリーンな車というだけでなく、愛される車を目指した。
これまで空力性能最優先だったボディを、スタイリッシュなモノフォルムに大変身させ、Cd値では従来型に少し劣るものの、全面投影面積を減らすことで従来型並みに抑えることに成功。その上で低重心化化とロングホイールベース化を図り、動的性能の著しい向上を実現したことが高く評価された。
■インポート・カー・オブ・ザ・イヤー:BMW X1
日本市場に相応しいコンパクトサイズでありながら、BMWらしい動的質感の高さを実現。ユーザーのライフスタイルに応じてBEV(バッテリー式電気自動車)、ガソリン、48Vマイルドハイブリッド・ディーゼルの3種類のパワーユニットが用意され、そのどれもがハイレベルな走行性能を獲得している点が支持された。
また、補助金を含めればほぼ同一のプライスレンジに収まるインポーターの努力も評価された。
■デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー:三菱 デリカミニ
近年厳ついフロントマスクがブランド・ランゲージだった三菱が一転し、愛らしく魅力的な表情を採用したことが評価された。
しかも販売台数はekクロススペースの3倍強を達成し、デザインが商品性の高さに直結する大切な要素であることを自ら証明。また、同社にとってアイコン的存在でもあるデリカのモデル名を用いるだけでなく、外観面で同じ世界観を共有した意義の大きさについても考慮された。
■テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー:日産 セレナ
「セレナはモノより思い出」の公約通り、脇役に徹するための数々のテクノロジーが高評価を呼んだ。
ミニバンでありながら高速道路でハンズオフ可能なプロパイロット2.0を最上級グレードに採用。空力面ではミニバンの弱点である横風に強い処理を施すなど、細部にまで亘るケア。また、5ナンバー枠に収めながらタイヤサイズを拡大したにも関わらず、従来型並みの室内スペースを確保。e-POWER用に新開発された3気筒1.4ℓエンジンに対する評価も高い。
■実行委員会特別賞:自工会 ジャパンモビリティショー2023
4年ぶり開催の「東京モーターショー」を「ジャパンモビリティショー2023」と改称し、新しいコンセプトを打ち立て、「人と人」、「会社と会社」、「人や会社と社会」を繋げる役割としてのモビリティの重要性を確立し、スタートアップ企業を含めた日本のモビリティ産業全般に新たな道筋を示したことを高く評価。