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2015年6月11日【オピニオン】

トヨタ カローラ、初代開発者の想いを受け継ぎ国内累積販売1000万台

坂上 賢治

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【過去動画】カローラ開発チーフ「安井慎一氏」が語る歴代カローラから受け継いだコンセプト(4分02秒)

 

カローラの源流には、長谷川龍雄氏のコアコンセプトが今もある

 

トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男、以下、トヨタ)のカローラは、シリーズの国内累計販売が2015年5月末までに1000万台に達した。なお今回の1000万台超えの実績は商用車を含まず、乗用車だけの数字だ。( 坂上 賢治 / MOTOR CARS の2015-06-11掲載記事を転載 )

 

 

カローラは、日本市場に現存する大衆車ブランドにおいて、1963年登場のマツダ・ファミリアに次ぐ2番目の長寿ブランドでもある。この時期は日本のモータリゼーションの足音が聞こえ始めた頃であり、「プラス100ccの余裕」をキャッチフレーズに1966年10月20日に初代モデルが登場。以来、着実に数値を積み上げて49年での1000万台達成の偉業となった。

 

 

その歴史上、記念すべき初代車両登場にあたって、当時のトヨタ自動車販売(当時は「トヨタ自工」・「トヨタ自販」と車両開発部門と販売部門を受け持つ2社が並び立っていた)は当時の発表資料で「トヨタ技術陣が数年の歳月を費やし、技術の枠を集めて世に送るわが国大衆車市場の本命ともいうべき五人乗り乗用車である。

 

 

この車は、わが国の幅広い層に定着させることを目的として設計され、性能、装備、車格などあらゆる面に余裕を持たせるため1077cc強力60馬力、水冷直列四気筒エンジンを搭載、各部分に思い切った新機能を採用し、加速性能ではヨーロッパにおける同クラス車の水準を上まわり、まさにわが国のハイ・コンパクトカーというにふさわしいクルマである」と謳い上げている。

 

 

顧客が求める期待値を全てにおいて上回ることを目指した「80点主義+α」

 

そんなカローラ誕生時期は「日本に自動車産業を興す」と云う志からトヨタ自動車そのものが創業されておよそ30年目の節目にあたり、特に1969年から2001年にかけての33年間は国内の累積販売台数という数値で圧倒的なベストセラーカー(車名別)として君臨。グローバル環境でも早くも2013年7月に累計販売4000万台に達している。

 

 

その開発コンセプトは常に「80点主義+α」であった。しかし、これはすべてに「そつ無く凡庸なクルマを造る」という意味でなく、顧客がクルマに求める様々な期待を必要充分以上の水準で満たす事を目指して目標付けられたものだ。以来50年間・11代にわたりカローラは、この「80点主義+α」の精神で進化を遂げてきた。

 

 

そんなカローラは今や世界13か国で生産され、150か国以上で年間130万台以上販売されるトヨタの「グローバルベストセラーカー」に育っている。

 

カローラは、時代時代の安心感・実用性・扱い易さを考え磨かれてきた

 

トヨタ・カローラは、常に時代の変化に応じて、その時代時代の安心感・実用性・扱い易さとは何かを考えたクルマとして脈々と磨かれてきた。

 

 

初代以来脈々と受け継ぐクルマ造りの想いを2015年当時のカローラ開発チーフ「安井慎一氏」は、時代時代のそれぞれの現行車を手掛けた開発者たちの部屋には、初代カローラの開発責任者・長谷川龍雄氏から、未来のカローラ開発陣に向けて贈られた「地球人の幸福と福祉のためにカローラを」という言葉が飾られていると語る。

 

 

そこには「アフォーダブル(手頃)な価格で、より高品質のクルマを提供し、地球上の人々に幸せになって頂く…」、それがカローラの使命であるという壮大な想いが込められていると結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。