【過去動画】カローラ開発チーフ「安井慎一氏」が語る歴代カローラから受け継いだコンセプト(4分02秒)
カローラの源流には、長谷川龍雄氏のコアコンセプトが今もある
トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男、以下、トヨタ)のカローラは、シリーズの国内累計販売が2015年5月末までに1000万台に達した。なお今回の1000万台超えの実績は商用車を含まず、乗用車だけの数字だ。( 坂上 賢治 / MOTOR CARS の2015-06-11掲載記事を転載 )
その歴史上、記念すべき初代車両登場にあたって、当時のトヨタ自動車販売(当時は「トヨタ自工」・「トヨタ自販」と車両開発部門と販売部門を受け持つ2社が並び立っていた)は当時の発表資料で「トヨタ技術陣が数年の歳月を費やし、技術の枠を集めて世に送るわが国大衆車市場の本命ともいうべき五人乗り乗用車である。
この車は、わが国の幅広い層に定着させることを目的として設計され、性能、装備、車格などあらゆる面に余裕を持たせるため1077cc強力60馬力、水冷直列四気筒エンジンを搭載、各部分に思い切った新機能を採用し、加速性能ではヨーロッパにおける同クラス車の水準を上まわり、まさにわが国のハイ・コンパクトカーというにふさわしいクルマである」と謳い上げている。
顧客が求める期待値を全てにおいて上回ることを目指した「80点主義+α」
そんなカローラ誕生時期は「日本に自動車産業を興す」と云う志からトヨタ自動車そのものが創業されておよそ30年目の節目にあたり、特に1969年から2001年にかけての33年間は国内の累積販売台数という数値で圧倒的なベストセラーカー(車名別)として君臨。グローバル環境でも早くも2013年7月に累計販売4000万台に達している。
その開発コンセプトは常に「80点主義+α」であった。しかし、これはすべてに「そつ無く凡庸なクルマを造る」という意味でなく、顧客がクルマに求める様々な期待を必要充分以上の水準で満たす事を目指して目標付けられたものだ。以来50年間・11代にわたりカローラは、この「80点主義+α」の精神で進化を遂げてきた。
そんなカローラは今や世界13か国で生産され、150か国以上で年間130万台以上販売されるトヨタの「グローバルベストセラーカー」に育っている。
カローラは、時代時代の安心感・実用性・扱い易さを考え磨かれてきた
トヨタ・カローラは、常に時代の変化に応じて、その時代時代の安心感・実用性・扱い易さとは何かを考えたクルマとして脈々と磨かれてきた。
初代以来脈々と受け継ぐクルマ造りの想いを2015年当時のカローラ開発チーフ「安井慎一氏」は、時代時代のそれぞれの現行車を手掛けた開発者たちの部屋には、初代カローラの開発責任者・長谷川龍雄氏から、未来のカローラ開発陣に向けて贈られた「地球人の幸福と福祉のためにカローラを」という言葉が飾られていると語る。
そこには「アフォーダブル(手頃)な価格で、より高品質のクルマを提供し、地球上の人々に幸せになって頂く…」、それがカローラの使命であるという壮大な想いが込められていると結んでいる。