世界初実証の先行プロジェクトがいよいよ始動へ
――空飛ぶクルマでは、ボロコプターの機体が試験飛行に採用されるとの事ですが、日本国内にも空飛ぶクルマを開発している企業が複数あります。これらが実証飛行を行う可能性はありますか。
山本 ▶ 今回の先行プロジェクトでは、多くの企業にエントリーして頂きました。その中から、東京のベイエリアに於いて、いち早く新たなテクノロジーが実証出来るよう審査を経て選んでいます。
空飛ぶクルマで実証を行うケースでは、飛行実験を行う上での航空機としての認証などの準備を整える必要があり、今回の機体の採択については国外企業が先行した結果だと思われます。
但し、空飛ぶクルマの実証に関しては、初年度で終わりでは無く、2030年迄の先行プロジェクトの中で、来年度以降に新たなテーマで募集活動を行っていく事になります。国内でもいくつかの企業が開発に取り組まれているので、将来的には国産の機体もベイエリアで飛行させたいですね。
――先行プロジェクトの期間は何年位あるのでしょうか。また、その後はどのような計画を敷かれているのでしょうか。
山本 ▶ 先行プロジェクトは、2030年度まで集中的に取り組み、世界最先端を実現することを目指しています。。今回採択した9つの案件は今年度を含む3か年ですが、来年度以降も引き続き募集を行います。
――実際に具体的なプロジェクトが動き出しているのでしょうか。
山本 ▶ 早いものは「先行プロジェクト」として今年度中に始まると思いますが、まずは現時点の東京の実証環境にフィットしている計画から順次スタートする事になるでしょう。
より具体的には、東京湾岸の都市環境で実際に空飛ぶクルマを飛行させ、今迄は実証出来なかった海での太陽光発電を行うなどの先進的な取り組みを行う事となるでしょう。
いずれも都市の中心地でなければ行えないような〝生きた実証〟を行い、いよいよビジネスの種になる段階を迎えたら、満を持して事業拡大を試みて行く流れになります。
東京のベイエリアで生まれたテクノロジーを現実のものとする事。我々はそうしたゼロから育てる取り組みが、東京の未来を創る道だと考えています。そのために東京湾の広大なフィールドを多様な企業へ提供して行きます。