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2022年7月2日【オピニオン】

三洋貿易の新谷正伸社長に訊く、モビリティ産業の未来予想図

松下次男

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素材の調達から車両製造に於ける細かな対応にも応えられるのが強み

 

 

――製品の技術評価やデザイン変更などをに応える社内部門や態勢は、どのような形になっているのでしょうか。

 

 平澤 自動車に関わる製品をお納めする流れで言うと、全てを一気通貫で展開して行くのが当社の特色であり強みです。従って製品提案から、受注・開発を経て、製造工場に於ける組み付け上の課題解決も、少なくとも初期生産の立ち上げの段階では我々が担うべき役割となります。

 

それからSOP(生産開始/Start of Production)段階を経て量産に移ります。その過程に於ける品質保持やコスト維持。更には製造工程へのデリバリー等のロジスティック問題も我々が担うべき課題となります。

 

 これらのの全てを、我々が窓口として一貫して担当しています。また最終的にプログラムが終了した後の残材をできるだけ少なくするとか、サービスパーツについても対応していきます。

 

 このため当社の営業部員は、取り扱い製品に係る技術的な知識が必要不可欠です。従ってそのための特別な研修を受ける他、製造メーカーへ自社社員を派遣させるなどして、日々対応力を高めるための取り組みを休まず続けて行かなければなりません。

 

 ただ、最近は電子領域に関わる技術対応など難しい部分が増えています。そこでメーカーの技術者と一緒に行動するなどして共同で対応する事が欠かせなくなりつつあります。いずれにしろ、最初から最後まで、真摯に貢献させて頂くと言う形が当社のビジネススタイルなのです。

 

 

 新谷社長 これらの要素を改めて受注までの流れで言い換えますと、まずは仕入れ先と一緒になって提案し、それが生産工場へ投入される迄には通常2年から3年の期間を要します。

 

それから以降SOPとなり、量産開始が指示が下されて以降は安定製造のための素材の安定供給が求められ、その間の在庫マネージメントや、更に必要な時にはケアリングもしなければなりません。

 

 最終的に製品の供給が終了しても、保守部品として7年から8年間は対応に迫られる事になります。要するに、車両開発・生産・一般消費市場への商品流通期間を通した言わば〝ゆりかごから墓場まで〟的なサポート体制を敷く事になります。

 

従って製造以外の部分についても、個別に細やかかつ、巣早く対応して行きます。それが当社の企業文化であり、独自の強みはここにあるのです。

 

 

――持ち前の商社機能を生かし切るという事ですね。

 

 

 平澤 はい。従って素材や供給製品の在庫も通常1~1・5カ月分は余裕を設けて持っており、製造前の製品開発段階でもメーカー、仕入先などと共同でデザインショーやテックショーなどを実施して新技術・新製品を紹介する事にも取り組んでいます。

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。