素材の調達から車両製造に於ける細かな対応にも応えられるのが強み
――製品の技術評価やデザイン変更などをに応える社内部門や態勢は、どのような形になっているのでしょうか。
平澤 自動車に関わる製品をお納めする流れで言うと、全てを一気通貫で展開して行くのが当社の特色であり強みです。従って製品提案から、受注・開発を経て、製造工場に於ける組み付け上の課題解決も、少なくとも初期生産の立ち上げの段階では我々が担うべき役割となります。
それからSOP(生産開始/Start of Production)段階を経て量産に移ります。その過程に於ける品質保持やコスト維持。更には製造工程へのデリバリー等のロジスティック問題も我々が担うべき課題となります。
これらのの全てを、我々が窓口として一貫して担当しています。また最終的にプログラムが終了した後の残材をできるだけ少なくするとか、サービスパーツについても対応していきます。
このため当社の営業部員は、取り扱い製品に係る技術的な知識が必要不可欠です。従ってそのための特別な研修を受ける他、製造メーカーへ自社社員を派遣させるなどして、日々対応力を高めるための取り組みを休まず続けて行かなければなりません。
ただ、最近は電子領域に関わる技術対応など難しい部分が増えています。そこでメーカーの技術者と一緒に行動するなどして共同で対応する事が欠かせなくなりつつあります。いずれにしろ、最初から最後まで、真摯に貢献させて頂くと言う形が当社のビジネススタイルなのです。
新谷社長 これらの要素を改めて受注までの流れで言い換えますと、まずは仕入れ先と一緒になって提案し、それが生産工場へ投入される迄には通常2年から3年の期間を要します。
それから以降SOPとなり、量産開始が指示が下されて以降は安定製造のための素材の安定供給が求められ、その間の在庫マネージメントや、更に必要な時にはケアリングもしなければなりません。
最終的に製品の供給が終了しても、保守部品として7年から8年間は対応に迫られる事になります。要するに、車両開発・生産・一般消費市場への商品流通期間を通した言わば〝ゆりかごから墓場まで〟的なサポート体制を敷く事になります。
従って製造以外の部分についても、個別に細やかかつ、巣早く対応して行きます。それが当社の企業文化であり、独自の強みはここにあるのです。
――持ち前の商社機能を生かし切るという事ですね。
平澤 はい。従って素材や供給製品の在庫も通常1~1・5カ月分は余裕を設けて持っており、製造前の製品開発段階でもメーカー、仕入先などと共同でデザインショーやテックショーなどを実施して新技術・新製品を紹介する事にも取り組んでいます。