日本企業の国際戦略に乗じて、次第に拡大して来た事業規模
――日系企業のグローバル展開に対応するという事ですね。
新谷社長 東南アジア及び中国、更に米国・欧州へと事業規模は日々拡大中です。日本の自動車メーカーが進出している地域・国家へは、当然ティア1、ティア2の企業も進出しており、ゴム事業部としては、各国に創設された企業全てが我々のターゲットとするお客様なのです。
ティア1、ティア2企業に原材料を納め、彼らが製品化して日系自動車メーカーへ納めるという図式です。併せてティア1向けや、自動車メーカーと直接、取り引きしている事案もあります。
――実に多様な展開ですね。
新谷社長 それでも今後、合成ゴム市場は更に大きく増える事は無いとする予測も占われ始めています。
昨今、世界ではガソリン車からEV(電気自動車)の転換が叫ばれていますが、実際にEVとなれば燃料ホースやエンジンに付いているパッキンなどが全て必要無くなるため、ゴム素材に係る状況は今日よりも益々厳しくなります。一方で、EVになっても窓枠やシーリング材は引き続き必要となるでしょう。
またゴム素材にEPDM(エチレンプロピレンゴム)という種類があり、これは無くならないどころか増えていく事が予想されています。
この分野で世界一の生産量を誇るのが先のアランセオで、EPDMは燃料系ではなく、色々なシール関連用途向けに製造されており、当社はこれらの製品を扱っています。
なお当社が担う役割は、先に少し申し上げましたが、これらを日系のゴム系製品メーカーに納入するだけではありません。加えてそもそも対象市場は日本国内向けに留まらず、アジア地域でも同様のサービスを提供しています。