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2023年8月4日【オピニオン】

自動車販社向けDMS提供企業に訊く、日本市場への成長支援

松下次男

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まずは外資系販社や中古車販売などのマルチディーラーからアプローチ

 

――日本の自動車マーケットは縮小し、自動車ディーラーをみても販売チャネルがなくなり、再編が進んでいます。課題も少なくありません。

 

 

吉島 ▶ 我々のビジネスを見ますと、売り上げの約8割が日系のOEM関連となっており、かつ売り上げの約6割がサブスクリプションで、非常に回しやすいモデルです。

 

それと製品やソリューションをみても、差別化ができています。グローバルに展開する有力なDMSは約15種類あり、その中に当社のソリューションもノミネートされています。

 

更にマイクロソフトのCRMをベースに展開するのはほぼ我々だけであり、マイクロソフトのERP(基幹業務パッケージソフト)をベースにしたものを展開しているのが3社ほどあります。

 

しかし、顧客情報、マーケティング、セールス活動などを網羅したDMSを展開するにはERPでは限界があり、CRMを使ったほうに優位性があると見ています。

 

わが国の自動車マーケットは縮小していますが、同時に人口も減少しており、スタッフ、販売活動など様々な面でカーディーラーにも変革が求められています

 

 

――勝機は十分にあるとみているのでしょうか。

 

吉島 ▶ 日本のマーケットをみますと、約2500店舗は外資系であり、中古車販売店も多数あります。

 

その中にはマイクロソフトの会計ソフトなどを使っているところも少なくなく、展開が進みやすいと見ています。我々としては独自技術を活かした高効率のソリューションを携えて、必要なところに必要な製品やサービスを提供するというのが、目指すべき使命です。

 

ただ、大手のOEMをみますと、国内販売部門がディーラーマネージメントシステムを統合しており、この領域で一気に勝機を見出せるかと言えば、そこでは厳しい部分もあるのは確かです。

 

ただその一方で、外資系ディーラーなどは、グローバルで同じシステムを導入するケースが多く、マイクロソフトユーザーならばアプローチしやすいと考えています。また我々独自の〝グローバル展開を拡大していく〟という切り口に於いては、日系OEMの海外展開をサポートするのも重要な役目だと思っております。

 

 

――日系OEMの海外サポートとは、どのような取り組みなのでしょうか。

 

吉島 ▶ 日系自動車メーカーの海外展開といっても、大きな国ばかりではありません。小さい国・地域へも多数、進出しており、そうしたところでは商社がサポートし、現地の販売活動を支えています。

 

このような国・地域へ新規に進出場合には、商社と連携して現地ディーラーの業務効率やサービス、マーケティング活動の最適化を図る管理システムの展開、支援が必要になると考えています。そうした地域では、オフィスの周辺に商社が集積しており、そこへも足を運び、連携機会を探っていく考えです。

 

 

PROFILE
吉島 良平(よしじま りょうへい)
テクノソフトジャパン プレジデント
日本を含む31カ国でMicrosoft社製ビジネスアプリケーションの導入・開発・コンサルティングに従事し20年余。2022年11月よりシンガポール企業『Technosoft (SEA) Pte. Ltd.』のCOOに着任、2023年7月よりTechnosoft Japan Co., Ltd.のPresidentを兼務。近年は、Microsoftが運営する外部技術者グローバル組織「Microsoft MVP(日本165名/世界3023名)のトラスティッドアドバイザー「Microsoft Regional Director (日本4名/世界189名)」としても複数のITコミュニティーで活動している。

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。