まずは外資系販社や中古車販売などのマルチディーラーからアプローチ
――日本の自動車マーケットは縮小し、自動車ディーラーをみても販売チャネルがなくなり、再編が進んでいます。課題も少なくありません。
吉島 ▶ 我々のビジネスを見ますと、売り上げの約8割が日系のOEM関連となっており、かつ売り上げの約6割がサブスクリプションで、非常に回しやすいモデルです。
それと製品やソリューションをみても、差別化ができています。グローバルに展開する有力なDMSは約15種類あり、その中に当社のソリューションもノミネートされています。
更にマイクロソフトのCRMをベースに展開するのはほぼ我々だけであり、マイクロソフトのERP(基幹業務パッケージソフト)をベースにしたものを展開しているのが3社ほどあります。
しかし、顧客情報、マーケティング、セールス活動などを網羅したDMSを展開するにはERPでは限界があり、CRMを使ったほうに優位性があると見ています。
わが国の自動車マーケットは縮小していますが、同時に人口も減少しており、スタッフ、販売活動など様々な面でカーディーラーにも変革が求められています
――勝機は十分にあるとみているのでしょうか。
吉島 ▶ 日本のマーケットをみますと、約2500店舗は外資系であり、中古車販売店も多数あります。
その中にはマイクロソフトの会計ソフトなどを使っているところも少なくなく、展開が進みやすいと見ています。我々としては独自技術を活かした高効率のソリューションを携えて、必要なところに必要な製品やサービスを提供するというのが、目指すべき使命です。
ただ、大手のOEMをみますと、国内販売部門がディーラーマネージメントシステムを統合しており、この領域で一気に勝機を見出せるかと言えば、そこでは厳しい部分もあるのは確かです。
ただその一方で、外資系ディーラーなどは、グローバルで同じシステムを導入するケースが多く、マイクロソフトユーザーならばアプローチしやすいと考えています。また我々独自の〝グローバル展開を拡大していく〟という切り口に於いては、日系OEMの海外展開をサポートするのも重要な役目だと思っております。
――日系OEMの海外サポートとは、どのような取り組みなのでしょうか。
吉島 ▶ 日系自動車メーカーの海外展開といっても、大きな国ばかりではありません。小さい国・地域へも多数、進出しており、そうしたところでは商社がサポートし、現地の販売活動を支えています。
このような国・地域へ新規に進出場合には、商社と連携して現地ディーラーの業務効率やサービス、マーケティング活動の最適化を図る管理システムの展開、支援が必要になると考えています。そうした地域では、オフィスの周辺に商社が集積しており、そこへも足を運び、連携機会を探っていく考えです。
PROFILE
吉島 良平(よしじま りょうへい)
テクノソフトジャパン プレジデント
日本を含む31カ国でMicrosoft社製ビジネスアプリケーションの導入・開発・コンサルティングに従事し20年余。2022年11月よりシンガポール企業『Technosoft (SEA) Pte. Ltd.』のCOOに着任、2023年7月よりTechnosoft Japan Co., Ltd.のPresidentを兼務。近年は、Microsoftが運営する外部技術者グローバル組織「Microsoft MVP(日本165名/世界3023名)のトラスティッドアドバイザー「Microsoft Regional Director (日本4名/世界189名)」としても複数のITコミュニティーで活動している。