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2024年6月6日【テクノロジー】

ZF、運転席エアバッグを再設計・再配置でより安全に

坂上 賢治

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ZF LIFETECは6月5日(ドイツ発)、ステアリングホイール上の運転席エアバッグを再設計した。1980年代に運転席エアバッグが導入されて以来、エアバッグはステアリングホイールの中央・ハブに常設されている。

 

その結果、長年ステアリングホイールは、ステアリングコマンドを伝達するためのドライバーと車のインターフェイス以上のものとなり、事故が発生した場合の保護機能にもなった。実際、約30年間、運転席エアバッグはほとんどの車の標準装備となり、命を救い、負傷を減らすのに役立っている。

 

更に近年のステアリングホイールは、エンターテイメント機能とアシスタンス機能のコマンドセンターにもなっている。そうしたなかでZF LIFETECは、未来志向のインテリアコンセプトのデザインの可能性を広げる新世代のステアリングホイールを設計した。

 

今日、多くの運転席エアバッグは、ステアリングホイールの中心から外れた前方に展開される。対してZF LIFETECが設計した新たな運転席用エアバッグは、事故が発生するとステアリングホイールの上部からステアリングホイールの上部リムを通って運転者に向かって展開する。

 

この新しい取り付け位置により、ハブを含む水平スポークはスマートフォンのようなシームレスなデザインになる。車両のエンターテイメント機能とアシスタンス機能の力感知コントロールは、連続した表面の背後に統合した。

 

 

このデザインは、現代のデジタル設計ダッシュボードにシームレスに溶け込む。ZF LIFETECで開発責任者を務めるHarald Lutzは、「この新しいコンセプトにより、安全性を損なうことなく、ステアリングホイールのデザインの自由度を実現しています」と説明した。

 

近年ますます人気が高まっているシームレス デザインへのトレンドは、現代の自動車の内装にもよく見られる。メーカーは内装の継ぎ目や隙間をなくす傾向が強まっているのだ。

 

これは、自動車の内装全体に統合された照明オプションやディスプレイにも反映されている。そうした流れから、こうしたトレンドは、将来のステアリング ホイールにも引き継がれるという。

 

新たな運転席エアバッグのシームレスなデザインは、新しい素材や形状の使用だけでなく、機能面でも多くの可能性を開く。

 

オンデマンド機能(自由に割り当て可能なフィールド)、タッチディスプレイ、または中央スクリーンも考えられる。但しステアリングホイールは車両の安全関連コンポーネントでもあるため、ユーザーフレンドリーであることが最も重要となる。

 

それを踏まえると同コンセプトでは、ハイブリッドソリューションも実装できる。例えばステアリングホイールにアンカーポイントとして統合された力感知および触覚表面と交互に回転するスイッチを組み合わせて、ドライバーがシステムを安全に操作するということも考えられる。

 

また未来のステアリングホイールで必須コンポーネントとなるハンズオン検出と組み合わせることもできる。革の表面の下にある静電容量センサーは、ドライバーが単にホイールに触れているのか、安全に握っているのかも認識できる。このテクノロジーは、自動車の安全な制御技術を積み上げるための格好のモジュールとなるだろうと結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。