ヤンマーホールディングスとグループ会社のヤンマーパワーテクノロジーは、トヨタのMIRAI用燃料電池ユニットをベースにした船舶用水素燃料電池システムの開発に着手し、環境に配慮した新たなパワートレインの創出に取り組む。
船舶業界では、排ガス規制により航行を制限されるエリアが設置され、国際海事機関で今世紀中の温室効果ガス(GHG)排出ゼロを目指す「GHG削減戦略」が採択されるなど、世界的な環境規制強化が進んでいる。
ヤンマーグループは、これまで、ディーゼルエンジンやデュアルフューエルエンジン(※1)で、各国の排ガス規制にいち早く対応するなど、環境に配慮したものづくりに取り組んできたが、今後は化石燃料に捉われないパワートレインも必要になると考え、その一環として、水素燃料を利用した将来のパワートレインの技術開発にも取り組んでいる。
そして今回、ヤンマーグループは、トヨタ自動車と覚書を締結し、トヨタMIRAI用燃料電池ユニットと高圧水素タンクを使用した船舶用燃料電池システムの開発を開始する。
同グループは、2020年度内を目標に、MIRAI用燃料電池ユニット等のマリナイズによる搭載性の向上および、より長い航続時間の実現を目的として自社製ボートによる実証試験を開始し、実用化と将来の多用な用途への適用に向けて開発を進める。
※1)デュアルフューエルエンジン:環境性に優れたLNG燃料と従来ディーゼル燃料の併用が可能なエンジン。