ヤマハ発動機は6月9日、The Yield Technology Solutions社(以下「The Yield社」)との間で、スマート農業に関する共同開発契約を締結したと発表した。
同社はこの共同開発を通じ、デジタル技術とロボティクスを活用した農業生産性向上を目指す。
The Yield社は、デジタル技術を活用して農業分野の課題解決を目指すオーストラリアのスタートアップ。同社の開発した「Sensing+」はセンサーとデータ分析を組み合わせることで、農業における重要作業(例:薬剤散布、かんがい、収穫など)のタイミング決定を支援するソリューションを提供する。
今回の共同開発は、画像データ収集を通じた作物の生育状況把握による収穫量予測モデルの精度向上と、局地気象データとロボティクス技術の組み合わせによる自動薬剤散布の効率最適化を狙いとしている。ヤマハ発動機の農業用UGV(Unmanned Ground Vehicle)や農作業自動化技術と、The Yield社の持つIoT(Internet of Things)、データサイエンス、AI技術を組み合わせた新たな農業自動化ソリューションの技術開発を目指し、スマート農業分野の事業開発を推進する。
さらに、世界の大手ワインメーカーであるオーストラリアのTreasury Wine Estates社とも連携し、オーストラリアおよび米国西海岸の圃場で、多くのデータ収集・実験を実施することで、開発スピードと精度の向上を図るという。
なお、この取り組みは、CVC(Corporate Venture Capital)活動を行うグループ会社Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valleyを通じた2020年の出資を足掛かりとしたもの。ヤマハ発動機はモノづくりだけでなく、革新的な技術やビジネスモデルを有するアーリーステージのベンチャー企業への出資を通じて、同社の持つモノづくりの強みとかけ合わせることで、さまざまな社会課題の解決を目指している。