ヤマハ発動機とティアフォーは、工場敷地内をはじめとしたモノの自動搬送ソリューション事業を行う合弁会社「eve autonomy(イヴオートノミー)」を設立し、4月から稼働する。
eve autonomyでは、ティアフォーが開発を主導するオープンソースの自動運転OS「Autoware(*)」の技術と、ヤマハ発動機のランドカーをはじめとした車体開発技術を掛け合わせ、自動搬送ソリューションの開発を推進する。
また、工場内物流の需要変動にも対応できるよう、初期費用を抑えることが可能なサブスクリプション型のサービス開発・アフターサポートの提供も目指す。
工場の物流現場では、高まる多品種少量生産のニーズと慢性的な人手不足により、作業員配置を前提とした従来型の設備・運用では、需要に合わせた効率的な生産体制の維持が難しくなってきていると云う。
この課題に対し、両社は、ヤマハ発動機浜北工場(静岡県浜松市)において自動搬送ソリューションのパイロット製品の共同開発に取り組み、IoT技術を駆使したスマートファクトリー化を目指して、3月から工場内物流ラインでの実運用を開始。
今後、その運用を、eve autonomyに承継し、ヤマハ発動機の国内外の製造工場を手始めに、自動搬送ソリューションを速やかに導入して課題の洗い出しや改善を行い、一般顧客に提供できる機能水準および信頼性の高い自動搬送ソリューションの完成を目指す。
合弁会社設立に際して、ヤマハ発動機 取締役上席執行役員モビリティ技術本部長の島本誠氏は、以下のように話している。
「目指すのは省力化・自律化による効率的な生産プロセスの提供です。当社で培ったハードウェアの技術と信頼性にティアフォーのスピードと最先端のテクノロジーを融合することで、これまでに無かった価値創造ができると期待しています」。
また、ティアフォー 創業者兼最高技術責任者(CTO) 加藤真平氏は、以下のように話している。
「ヤマハ発動機のような日本を代表する大企業とティアフォーのようなディープテックベンチャーがタッグを組むことが世界と戦う術の1つだと思っています。
このチームとAutowareで自動搬送ソリューションに革命を起こしたいです。このような情勢下、少しでも明るい話題を届けられるように全力を尽くします」。
[合弁会社概要]
– 会社名:株式会社eve autonomy
– 代表者:代表取締役CEO 米光 正典 (ヤマハ発動機 より出向)
– 本社所在地:静岡県袋井市久能3001-10
– 資本金:8億円(資本準備金含む)
– 事業内容:
自動運転車両、搬送台車の開発・販売・リース・レンタル。自動搬送ソリューション提供、各種サポート、保守メンテナンスサービス 等