ヤマハ発動機は5月12日、産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」が、資材を運搬する様子を公開した。
山中120往復で1.5トンを運搬
「運搬した資材は計1.5トン。積込み・荷下ろしの現場間を5日間で約120往復して、すべての資材を運びきりました」(ヤマハ発動機UMS事業推進部・加藤薫さん)
産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」は2021年3月中旬、静岡県掛川市の深い山の中を、支柱やネットといった獣害対策用の資材をコンテナに積載し運搬した。
荷下ろしの現場は、クルマがやっと通れる林道から高低差約120mの谷の底であった。林業作業用のスパイクを履き、重い資材を背負って斜面を歩くには時間がかかり、何よりも作業者の負担が大きく、危険も伴う。
今回の実証実験は、「現場の安全性や省力化を確保しながら、大切な苗木を守りたい」という課題を抱える掛川市森林組合からの相談を受けて行われた。
活躍の場がひろがる無人ソリューション
「FAZER R G2」の積載能力(ペイロード)は35kg。ここから資材を格納するためのコンテナの重量を差し引き、さらに形状の異なる資材を効率的に組み合わせると一度のフライトで運べる量はおよそ20kg。
斜面を挟んだ積込み・荷下ろしの現場にそれぞれ操縦オペレーターを配置し、樹木等の障害物を避けるため、パイロットによる操縦と自動航行を組み合わせ、片道約10分弱の往復を繰り返した。
「森林資源の循環的な活用には、安全性や効率、正確性を高めるさまざまな技術の結集が必要だと感じています。資材の運搬はこれまで人力に頼ってきましたが、危険を伴う重労働を(無人ヘリが)担ってくれてとても助かりました」。同森林組合の尾崎友昭さんはそう話した。
– マルチ無人ソリューション
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