独・フォルクスワーゲン傘下の蓄電池製造企業「PowerCo SE」はスペイン・バレンシア時間の3月17日、世界的なバッテリー事業を構築するための次の一歩を踏み出す。
PowerCoは、2026年にユニファイド セルの生産を開始。同セル製造拠点は将来的には3,000人以上を直接雇用し、スペインのサプライヤーやパートナーを含むと最大30,000の間接雇用が創出される可能性があるとした。
ギガファクトリーバレンシアの発表会見に登壇したスペインのペドロ・サンチェス大統領は「新拠点の設立は産業界に於ける私たちのコミットメントの表れであるだけでなく、イノベーション、領土の結束、官民協力など、グローバル市場に対する私たちのコミットメントの表れでもあります」と述べた。
これに続いて登壇したPowerCo SE の監査役会会長のトーマス・シュマール氏(Thomas Schmall)は「PowerCoの2番目のギガファクトリーの着工開始以降、カナダのセント・トーマスのギガファクトリー建設計画を発表。更に我々は新たなステップへと駒を進めます。
私たちの目標は、PowerCoをバッテリービジネスのグローバル プレーヤーにしていく事。また持続可能な方法で製造されたバッテリーセルにより、新たなモビリティ社会への道筋を示す事にあります。
ギガファクトリーバレンシアは、その重要なマイルストーンのひとつになるでしょう」と語った。
加えてPowerCoのフランクブロメ(Frank Blome)CEOは「バレンシアに新たなセル製造向上を設ける事を決めた理由は、良好な労働条件、環境への配慮、低コストでグリーン電力が利用出来る可能性、優れた輸送インフラ、VWグループのスペインの生産拠点への近さなど様々な要因があります。
しかしそれよりも我々は、このバレンシアの地の良き隣人となり、経済発展に大きく貢献する事が最も大事な事と考えています。
将来的に3,000人以上の雇用を創出するだけでに留まらず、地方政府と協力して、科学と社会の強化を目的とした地域プロジェクトも開始する計画です。
ちなみにギガファクトリーバレンシアの当初の年間生産能力は40GWhですが、将来的には60GWh まで拡張する可能性があります。
そのセル工場は、バレンシアのすぐ近くにあるサグントに約130ヘクタールの敷地に建設されます。また同工場と並行して建設される予定のサプライヤーパークを合わせると、その面積は200ヘクタールにもなります。
そんなバレンシアのギガファクトリーは、マルトレルやパンプローナなどの車両工場へ向けてユニファイド セルを供給する予定となっいます」と拠点の役割について説明した。
続いて登壇したバレンシア自治政府のシモ・プイグ氏は「フォルクスワーゲングループとSEATへ感謝の意を表します。
モビリティの持続可能な移行に向けて、私たちが一緒に出来る事を嬉しく思うだけでなく、我々はこの野心的な計画について精力的に取り組みます。
そのために近隣の250ヘクタールの発電所からセル工場へ、太陽光発電と風力発電によって生成されたグリーン電力を完供給します。PowerCoによる持続可能なバッテリー製造計画をサポートしていきます」と述べた。