スウェーデンのボルボ・カーズは現地時間の12月10日、バッテリー開発・製造への300億クローネ(約3,759億円/※1)の投資の一環として、同国のバッテリーベンチャー企業であるノースボルト社(Northvolt/※2)と、イェーテボリ(Göteborg)に共同研究開発(R&D)センターを開設すると発表した。
ボルボ・カーズのR&D部門や、スウェーデンのヴェステルオースにある既存のイノベーション・キャンパス「ノースボルト・ラボ」に近接するこのR&Dセンターは、2022年に操業を開始し、航続距離や急速充電時間など、ボルボ・オーダーメイドのバッテリーを開発。イェーテボリでは、数百人の雇用創出が見込まれると云う。
両社はさらに、R&Dセンターの設立後、ボルボとポールスターの次世代EV車両搭載のため特別開発された次世代バッテリーセルを生産する、新たな製造工場をヨーロッパに建設(※3)。この共同工場については、既にヨーロッパに適切な場所を見つけるための選定プロセスの最終段階に入っており、2023年に建設を開始、2026年には大規模な生産を開始する予定。
工場は、年間生産能力最大50ギガワット時(GWh)、年間約50万台のバッテリー生産規模で、最大3,000人の雇用を見込んでいる。
ボルボ・カーズでは、EVの最大のコスト要因であり、かつカーボンフットプリントの大部分を占めるバッテリーの開発・製造に於いて、ノースボルト社と真のエンド・ツー・エンドシステムを構築。今後10年の半ば迄に新車販売の50%を、そして2030年までに100%をEVに置き換えるという目標を掲げる同社にとって、ノースボルト社との協業は、その達成のために非常に重要な位置づけであるとしている。
※1:1SEK=12.5円にて換算(2021年12月13日現在)。
※2:ノースボルト社は、2016年に設立。CO₂排出量を最小限に抑えた世界で最もグリーンなリチウムイオンバッテリーを提供するというミッションを掲げる持続可能で高品質なバッテリーセルとシステムを提供するヨーロッパのサプライヤー。これまでに、BMW、Fluence、Scania、Volkswagen、Volvo Cars、Polestarなどの主要顧客から270億ドル相当の契約を獲得しており、また、2030年までに必要な全原材料の50%をリサイクルバッテリーから調達するためのリサイクル能力を確立する計画を支援している。
※2:工場の建設予定地は、2022年初頭に決定予定。
[各社CEOのコメント]
ボルボ・カーズ ホーカン・サムエルソン氏
「ノースボルトとの協業により、次世代の電気自動車であるボルボ車のために、高品質で持続的に生産されるバッテリーの供給を確保することができます。これは、完全な電気自動車メーカーへの変革に於いて、我々のコア・コンピタンスとその地位を強化するものです」。
ノースボルト ピーター・カールソン氏
「ボルボ・カーズは、ヨーロッパで製造され、カーボンフットプリントが非常に少なく、車両と最適化されることにより、次世代の電気自動車で最高の性能を発揮するバッテリーセルの供給体制を構築する上で、素晴らしいパートナーです」。
■Northvolt:https://northvolt.com/