イーソルは7月27日、Tuxera, Inc.(以下「Tuxera」)と、業務提携したことを発表した。
昨今、IoTが急速に普及し、特に人の安全に関わるコネクテッドカーや自動運転の領域では、大量のデータをリアルタイムかつ安全に処理する必要性が増している。一方で、従来のエッジストレージの記憶容量やフラッシュストレージの寿命や信頼性には限界があり、自動車業界における複雑かつ厳しいデータの取り扱い要件を満たすことが難しくなってきている。こうした状況下で、大容量かつデータを高速処理ができ、フェールセーフな(安定稼働する)ストレージの導入が急務となり、イーソルは「eMCOS」に搭載できる高品質なファイルシステムの導入を検討していた。
提携により、機能安全に対応したイーソルのリアルタイムOS 「eMCOS®」(エムコス)にデータストレージ技術においてTuxeraの 「Reliance® ファイルシステムテクノロジ」を統合することで、データ書き換え時において、フラッシュメモリの寿命を長期化しつつ、高速かつ高い耐障害性を持つデータストレージ技術をリアルタイムOSプラットフォームとして実現する。
これにより、自動車業界におけるセーフティ・クリティカル(高い安全性と信頼性)に対する厳しい要件を満たした信頼性の高いプラットフォームを提供し、進化を続けるモビリティおよびコネクテッド社会の安心安全の実現に貢献していくとしている。
Tuxera最高経営責任者(CEO) Tuukka Ahoniemi(トゥーカ・アホニエミ) のコメント
「Tuxeraは2020年に日本法人を設立し、国内の自動車メーカーに対して、機能安全の要件を満たし、かつ高性能でフェールセーフなデータ管理ソリューションを届けることに努めてまいりました。今回、両社の技術を統合することで、セーフティクリティカルなシステム上で大量のセンサーデータを処理できるため、これまで以上に安全性を高めたデータ・ドリブンなアプリケーションを自動車メーカー向けに開発していくことができます。」
Tuxera Japan株式会社 代表取締役 黒子 真佐志 のコメント
「このたびの業務提携により、国内のみならず世界中の自動車メーカーに対して最先端の製品を提供していくことができると確信しています。今後、イーソル社とともに、世界における自動運転やコネクテッドカーの進展に、より一層貢献していくことができることを楽しみにしています。」
イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント
「ファイルシステムで優れたテクノロジと世界トップクラスの実績を持つTuxera社と業務提携できたことを大変光栄に思っております。車載システム分野における機能要件は日を追うごとに複雑かつ高度になっており、同時に更に高い安全性と信頼性への要求も高まっております。この業務提携により機能安全に対応したeMCOSが更に高いレベルの安全性と信頼性を実現することが可能だと確信しています。今後もTuxera社とともにグローバルでのモビリティ社会およびコネクテッド社会の安心安全の実現に向けてシステムプラットフォームの側面から貢献していきたいと考えています。」