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2025年1月22日【ソフトウェア】

チューリング、大規模AI向けの視覚データ圧縮技術を開発

坂上 賢治

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Turing(チューリング)は1月22日、動画や画像の大規模データを効率的に圧縮しながら、AIに適した形式で高精度に保持できる技術を開発した(特許出願中)。

 

同技術では、局所的に重要情報を集約する学習時の工夫と、重要度に応じたデータの割り当てを組み合わせることで、自動運転AIやマルチモーダルAIなどに於ける高速かつ高精度なデータ活用を可能にした。

 

開発の背景は近年、画像やテキストなど複数種類のデータを同時に扱うマルチモーダル大規模言語モデル(MLLMs)が注目を集めており、大量のデータを入力する高度な開発ニーズがますます高まっていることがある。しかし、従来の画像データ埋め込み技術では、AI向けに最適化された形で効率良く情報を受け渡すことが難しいという課題があった。

 

 

そこでチューリングは、膨大なデータを効率良く圧縮しながらも必要な情報を高精度で保持できる仕組みを開発した。より具体的にはテキストや画像など多様な情報を、トークン(AIが処理するための最小単位)の列に変換し、それらを必要に応じて増減できる仕組み(可変長圧縮)を導入。これにより、まずは必要な画質や解析精度を維持しながら、データ容量を大幅に削減することが可能にした。

 

その中で、学習の段階でトークン列の末尾をランダムに削除し、その差異を比較してモデルを最適化する手法「Tail Token Drop」を導入することで、重要情報がデータ列の先頭に集約されるようにした。これにより、圧縮率を高めても肝心な部分を損ないにくい設計が実現している。

 

また、当該技術ではトークン列から画像を再構成でき、従来のJPEGやWebPなどの画像フォーマットと比較して小さいバイト数で視覚的に自然な画像を再構成することが可能。今後は、リアルタイム性や、通信コストが特に重要とされる自動運転やクラウド連携システムへの応用を拡張していきたい考えだ。

 

なお同技術については論文「One-D-Piece: Image Tokenizer Meets Quality-Controllable Compression」で公開しており、自社のテックブログでも詳しく解説している。モデルファイルおよびソースコードは商用利用可能とした。(Apache License 2.0)

 

プロジェクトページ
https://turingmotors.github.io/one-d-piece-tokenizer/

 

テックブログ
https://zenn.dev/turing_motors/articles/6d77c5a3b3712e

 

概要図

 

当該技術の応用例

 

1. 自動運転
車載カメラからの映像を少ないトークンに圧縮することで、自動運転基盤モデルに視覚データを効率的に入力することが可能になる。大きなデータを入力した際の計算時間の増大を防ぐことで、大規模AIモデルがリアルタイムで高速に周囲の情報を認識・判断することが可能になる。

 

2. マルチモーダルモデル・世界モデル
技術でトークン化した画像・映像については、言語トークンと同様にMLLMsや世界モデルにそのまま入出力できることが期待される。文脈や情報量に応じてトークンサイズを調整することで、マルチモーダルモデル・世界モデルの学習・推論の負荷を軽減しながら、全体的な精度を維持することが可能。

 

チューリング 会社概要
会社名:Turing株式会社
所在地:東京都品川区大崎1丁目11−2 ゲートシティ大崎 イーストタワー4階
代表者:代表取締役 山本一成
設立:2021年8月
事業内容:完全自動運転技術の開発
URL:https://tur.ing/
採⽤情報は採用ページへ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。