トヨタ自動車は、農業IT管理ツール「豊作計画」を刷新し、4月から提供を開始する。
トヨタでは、この刷新に向けて、昨年10月から実証を開始。愛知県の農業生産法人サグワットファーマーズなど3か所でトライアルを行ってきた。
トヨタは2014年から、トヨタ生産方式の考え方を織り込んだ「豊作計画」を開発・導入し、農業の生産性向上に向けた取り組みを進めている。
豊作計画は、効率的な農作業のために開発された、広範囲に分断して存在する水田を集約的に管理するためのクラウドサービス。
現在、全国94の農業経営体に導入され、作業工程やコストの異常管理を通じて育苗工程での作りすぎのムダ削減等、日本の農業事業の経営改善において、大きな成果を上げていると云う。
今回、農業経営体からの要請に基づき、米作だけでなく、露地野菜やハウス栽培等に幅広く適用できるよう、適応品目を野菜・果樹・畜産などにも拡大。また、受注・人員・生産・出荷・在庫の一連の情報を一元管理する新機能(*1)を追加した。
この新機能の活用で、例えば受注生産の野菜生産計画の精度向上など、廃棄ロスや出荷遅れの低減、生産・人員計画の作成や管理業務の効率化も可能になると云う。
システムラインアップは、「Type A」・「Type B」・「Type C」の3種類(*2)を設定。また、経営管理・帳票出力・農機管理・環境管理などの機能をオプション設定としている。
[システムラインアップ]
<Type A>
・従来の「豊作計画」を踏襲し、米、麦、大豆など、土地利用型作物が主な対象品目。
・従来と比較し、アカウントあたり30%以上の価格低減を実現。
<Type B>
・野菜や果樹、畜産、林業といった、幅広い作物・品目が主な対象。
・受注・出荷・生育・在庫・人員(パート社員・従業員)にもとづく計画立案が可能。
<Type C>
・Type A、Type Bのいずれの品目にも対応。
[新たなオプション項目]
<経営管理>
入力データをもとに、品目毎の売り上げから、利益率の高い作物を見える化する「成績表」、面積・収量・売上の「シミュレーション」などの機能により、収益性向上に寄与。
<帳票出力>
入力データを用い、委託作業における請求書の発行・管理が可能。入力ミスなどによる不要な工数を削減。また、日々の日報をメール配信し、円滑な作業進捗の共有が可能。
<農機管理>
農業機械の稼働実績から、点検更新時期やコストを管理。繁忙期の故障を未然に防止し、機械のランニングコストを低減。燃料の免税申請の工数低減にも寄与。
<環境管理(*3)>
ハウス内の温度・湿度・CO2濃度などのデータを入力することで栽培環境を見える化し、計画へ自動的に反映。環境データから精度の高い計画を作成し、工数を削減。
*1:商品体系によって設定が異なる。「Type B」、「Type C」に適応。
*2:通常数回に分けて収穫する品目を一度に収穫する場合もあるため、品目で一律に分類するわけではなく、ニーズに合わせて最適なサービスを提供する。
*3:施設栽培にのみ対応。