トノックス殿内常務取締役(左)とティアフォー加藤CEO(右)
基礎技術をオープンソース化することによる優位性と拡張性を活かし、世界規模で自動運転OSの開発・普及を手掛けるティアフォーは6月22日、レベル4水準の商用量産車の早期実現を視野に、特装車の企画・開発から製造までを一貫して手掛けるトノックスとの協業を開始した。
ティアフォーは先の通り、世界を巻き込んだ自動運転OSの「Autoware(オートウエア/The Autoware Foundationの登録商標)」の強みを活かし、現段階でも既存量産車への自動運転機能レベル4の実装例を数多く実現。自動運転に係る搭載ノウハウを積み重ねて、常に自動運転研究の技術領域をリードし続けて来た。
しかし現段階では、量産型の自動運転車両に係る技術構築への自信を更に深めるために、あと僅かの知見を必要としており、実際、様々な車両へ対して自動運転ソフトウェアが搭載出来るホワイトレーベル車両に係る構築・量産化技術に向けては、設備的にも技術的にも、実業面で車両の量産ノウハウを備えた大規模パートナーとの協業を必要としていた。
そうしたなかトノックスは。車体架装メーカーとして、これまで官公庁向け特装車設計・製作の経験を豊富に持ち合わせており、敷地面積46,000㎡となる平塚工場では年間3,000台超の車両を生産して続けて来た。
併せてトノックスは、先の通りで軽乗用車から小型車両、更にはバス・トラックなどの大型車両に至るまで幅広い車種へ技術対応出来ること。車両改造や部品・電装品の艤装に関しても独特のノウハウを持ち、また特殊仕様に対する豊富な対応能力だけに留まらず、車両そのものの量産体制も持ち合わせている。
そこで両社は、今協業を踏まえ、トノックスの平塚工場でティアフォーが策定する「レベル4自動運転化ガイドライン」に従い、レベル4水準の自動運転機能に対応可能な車両への数々の電動化対策。これに係るボディの設計・製造・構築技術等を磨き、レベル4の生産対象車種を順次拡充。自動運転技術の社会実装を拡張していく。
一方、ティアフォーは将来に向けて、自動運転技術の普及と進化に向けた技術レベルを更に高めつつ、パートナー企業と共に自動運転車両量産化に係る基礎技術を公開していくことで、未来社会への貢献を目指すとしている。
こうした取り組みにトノックスの殿内崇生常務取締役は、「架装メーカーとして実績と信頼を積み上げた当社と、先端技術である自動運転ソフトウェア開発を進めるティアフォー社との協業は、ハードがソフトの可能性を導き出す新しいクルマ作りへの挑戦です。
両社の高い技術力と志を融合させることで、ものづくり企業からモビリティ企業へと事業体制を進化させ、自動車産業のさらなる発展と移動課題解決に向けて貢献します」と述べた。
一方で、ティアフォーの加藤真平CEO兼CTO(東京大学大学院情報理工学系研究科・特任准教授、名古屋大学 未来社会創造機構・客員教授)は、「我々は、車体架装のリーディングカンパニーであるトノックス社との協業により、自動運転技術進化を更に高めていきます。
その後、様々な自動運転ソフトウェアの搭載が可能なホワイトレーベルEVの量産化モデルも構築。
この挑戦で得たノウハウは社会へ公開し、元々ディアフォーが目指していたあらゆる人がEVを設計できる技術の民主化を進めていきます。また併せて自動運転車の量産事業にも貢献していく所存です」と話している。