自動運転の民主化を社是に掲げるティアフォー(TIER Ⅳ)10月24日、国際半導体企業のアナログ・デバイセズと共同開発したGMSL2™(Gigabit Multimedia Serial Link generation 2) -10GbE変換モジュールの提供を開始する。
これによりセンサーやコンピューターと各種ソフトウェアツールを組み合わせ、短期間での自動運転システムの開発を可能にするリファレンスプラットフォームであるEdge.Autoの製品ラインナップが拡充され、より多くの需要に対応できるようになったとしている。
製品の概要は以下の通り
アナログ・デバイセズのGMSL2は、自動車及び産業用オートメーション業界で実績のあるSerDes(Serializer-Deserializer)ソリューションで、様々な車載・産業用アプリケーションでの強固性、安全性、信頼性で評価されている。
GMSL2カメラとコンピューターの接続を容易にするGMSL2-10GbE変換モジュールを導入することで、コンピューターの製品毎にカメラと接続するためのデバイスドライバーが不要になり、その開発に必要な工数を削減したり、カメラと接続が可能なコンピューターの選択肢を広げることができる。
このモジュールは、ティアフォーの120dB相当のダイナミックレンジを有する車載品質のC1カメラ及びC2カメラを標準でサポート。またモジュールの活用により、高度な認識処理が必要とされる自動運転システムの開発のみならず、ロボティクスを含む幅広い分野に於いても、迅速かつ容易な開発を可能にする。そんな同モジュールは、以下の特徴を備えている。
– GMSL2ポートから最大8台のカメラの映像を取得
– FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて非圧縮の画像データを低遅延で10ギガビット・イーサネットに変換
– PTP(Precision Time Protocol)によるLiDARなどのデバイスとの同期
– カメラごとのシャッター・タイミング制御
– 画像データへタイムスタンプを付与
– ユーザーフレンドリーな設計により、ブラウザのインターフェースから直感的に操作し、設定を管理することが可能
このGMSL2-10GbE変換モジュールについてティアフォーのEdge.Auto責任者を務める岩永明人氏は、「自動車及び産業用オートメーション向けのソリューションを提供するため、この分野で豊富な経験と実績のあるアナログ・デバイセズとGMSL2-10GbE変換モジュールを共同開発しました。この協力により、アナログ・デバイセズの先進的なGMSL技術とティアフォーの革新的なカメラソリューションを組み合わせ、自動化アプリケーションのシステム価値の向上を目指しています」と話している。
対してアナログ・デバイセズでManaging Directorを務めるFiona Treacy氏は、「ティアフォーと協業し、産業用製造のための革新的なロボットソリューションを提供できることを大変嬉しく思います。共同で開発したGMSL2-10GbE変換モジュールを使うことで、高度なロボット認識プラットフォームを迅速かつ容易に開発できるようになり、ロボット分野におけるGMSLソリューションの可能性を広げることができると信じています」と語っている。
なお今後の展開としてティアフォーでは、2024年に8.3メガピクセルの解像度を持つC3カメラを発売し、本モジュールへのサポートも行う予定という。これにより、Edge.Autoでは、2.5メガピクセルのC1カメラと5.4メガピクセルのC2カメラに加え、更に高解像度の車載カメラが製品ラインナップとして拡充される。これらの車載カメラの解像度とレンズオプションを組み合わせることで、これまで以上にお客様の目的に合った製品を提供できるようになるとしている。
社名:株式会社ティアフォー
所在地:東京都品川区
URL:https://tier4.jp
設立年月:2015年12月
主な事業内容:
・自動運転プラットフォーム開発事業
・自動運転ウェブサービス開発事業
・自動運転システム開発キット販売事業
・自動運転技術の教育事業
製品問い合わせ:edge.auto@tier4.jp