KDDIのコーポレート・ベンチャー・ファンド「KDDI Open Innovation Fund」が出資するTelexistence (TX) が、テレイグジスタンス (遠隔存在※) 技術・VR・通信・クラウドを活用した空間を超える遠隔操作ロボットの量産型プロトタイプ MODEL Hを開発した。
KDDIとTXは、2035年には約10兆円に達するとされる国内ロボットビジネス市場において、人の能力の拡張を軸としたサービスロボットの開発を推進し、通信とロボティクスの融合により、人間生活の飛躍的な向上、および各産業の高度化を主導するというビジョンを共有していると云う。
また、両社は今後、テレイグジスタンス技術を活用したロボットの遠隔操作体験が体験できるイベントを2018年の夏頃に実施する予定。
小笠原返還50周年記念事業の一環として、ロボット旅行体験「TELEXISTENCE TRAVEL」を、東急不動産、鹿島建設、CiP協議会との共同で行うことを検討している。
[遠隔操作ロボット量産型プロトタイプMODEL Hについて]
<KDDIによる取り組み>
・KDDIグループが有する伝送技術を活用し、映像伝送の低遅延化に成功
・商用のモバイルネットワーク (LTE) を活用した操作耐久試験を実施し、他の商用通信とロボット操作用通信の両立を確認
<量産型プロトタイプMODEL Hの特長>
■コックピット側 (操作側)
・可搬型ケースに制御コンピューター、赤外線3D位置測定、VRや触覚機器を内蔵し、大幅にコンパクト化
・触覚提示デバイスのモジュール化およびUI/UXの向上
■ロボット側
・インターネットを使用した低遅延な視聴覚/触覚の伝送
・量産を想定した機構設計の確立
・製品化を想定したロボットの外装デザインの確立
・ホイールによる移動機能により、遠隔地を動き回る体験を実現
・可搬重量の大幅な向上
・バッテリー駆動が可能
※Telexistence (テレイグジスタンス) 技術
テレイグジスタンスは、遠隔のロボットを自分の分身として利用し、人間を時空の制約から開放しようとする概念。1980年に世界で初めて東京大学名誉教授の舘暲博士によって提唱された。
遠隔に置かれたロボットのセンサ情報をオペレーターが受けながら、ロボットを制御し、遠隔でタスクを実行するマスター・スレーブ型のロボットシステムの発展形式。
人間型ロボットメカニズム、制御、視覚、聴覚、触覚のセンシング、人間の運動計測、人間への視覚、聴覚、触覚提示、データ伝送など、ロボット工学、バーチャルリアリティ、通信、ヒューマンインタフェース、認知心理学など多岐にわたる知識、技術、ノウハウが基となっている。
■Telexistence株式会 Model H(英語):
https://tx-inc.com/presskit/