帝人は11月14日、社内業務の効率化を目的とした自社独自の仕様の生成AIサービス「chatテイジン(チャット テイジン)」をグループ社員向けに導入したと発表した。これは文章の作成・翻訳・要約やデータの分析などの日常業務に、生成AIを活用することによって日常業務の生産性向上を目指すもの。
「chatテイジン」は、クローズドな環境で構築され、社内用の認証システムと連動させることを前提に、セキュリティ対策も施した独自仕様となっている。それが今後、12月末までの試用期間を設けつつ国内グループ社員の内約8,000名に提供される。
試用期間終了後には、社員からの反響を含めて同データを取得・分析・集約。2024年1月以降には、それらをシステム上にフィードバックさせた上で本格サービスとして再展開される見込みだ。
そこで同社は、今回の実証サービスに入っていくにあたって、生成AIを使用するために必要な「プロンプト(生成AIに指示を与えるために入力する文章を指す)」についての指導や注意事項などについて解説する入門セミナーを実施。
その他にも社員同士で「chatテイジン」の活用事例を共有するためのコミュニティを開設するなど、社員一人ひとりがAI への理解を深めながら積極的に活用できるよう、環境整備を推進していく考えだ。
実際、先の8月に同社は、グループ内で生成AIを適切に使用するための「生成AIガイドライン」を策定。併せて法令違反や情報漏洩などのリスクを抑制するためのルールづくりを推し進めてきたし、そもそも予てより、社内の各部署を横断する社内イントラサイトを介して、素早く情報を見つけ出すためのチャットボットの活用にも積極的に取り組んできた背景がある。
従って今施策を含めた一連の取り組みは同社でも、デジタル・IT技術をイノベーション創出のための重点施策として積極活用に取り組んでいる重要事案であることを重々認識している。
企業活動の新たな未来に向けてAI導入は重要であり、今後もグループ全体でDXを推進することを介して新しい価値創造を造り出すべく、予てより同社が掲げている長期ビジョン「未来の社会を支える会社」を旗頭に未来へと突き進んでいく姿勢を見せている。