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2023年11月14日【エネルギー】

スズキ、エリーパワーに100億円を追加出資して筆頭株主に

NEXT MOBILITY編集部

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スズキは11月14日、循環型社会とカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指し、大型リチウムイオン電池(LiB)と蓄電システムを手掛けるエリーパワー(本社:東京都品川区)と、追加出資・業務提携契約を締結したと発表した。この契約により、スズキはエリーパワーに100億円の追加出資を行い、21.59%の株式を保有する筆頭株主となる。

 

また両社は、蓄電システムにも多様なモビリティにも搭載可能なリチウムイオン電池の共同開発に合意。今回エリーパワーがスズキから調達する資金は、主に設備投資・共同開発に充当される予定だと云う。

 

さらにスズキは、エリーパワーが発行する転換社債型新株予約権付社債150億円を、引き受ける(手続きは年内完了の見込み)。

 

エリーパワーは、定置用途とモビリティ用途の共通利用可能な大型リチウムイオン電池の実用化を目指した産学連携プロジェクト「エルスクエアプロジェクト」の研究成果・理念を継承する形で、2006年に慶応義塾大学発のベンチャーとして創業。

 

研究開発から生産まで一貫した体制で大型リチウムイオン電池自社製造すると共に、この電池を搭載した蓄電システムの開発、製造、販売。同社の蓄電システムは、住宅を中心にセキュリティ、通信、病院・介護福祉、官公庁・自治体等で累計94,000台以上(2023年9月時点)が利用されていると云う。

 

スズキは、2012年にエリーパワーに10億円を出資し、以降、技術交流を図ってきたが、今回100億円を追加出資し、蓄電システムにも多様なモビリティにも搭載可能なリチウムイオン電池を共同開発する。さらに、年内に手続きを完了させることを目処に、エリーパワーが発行する転換社債型新株予約権付社債150億円を引き受ける。

 

エリーパワーは、創業以来培ってきた住宅をはじめとする定置用途での独自技術(高安全・長寿命・温度特性)を、モビリティ領域でさらに発展させることで、今まで以上に環境・エネルギー問題解決に貢献し、持続可能な社会の実現に尽力していくとしている。

 

またスズキは、今回のエリーパワーとの提携を通じて、モビリティの電動化を加速させ、ユーザーの立場に立った製品・サービス作りと、再エネ活用による持続可能なカーボンニュートラル社会への貢献を目指していくとしている。

 

 

[各社コメント]

・エリーパワー 吉田会長

「この度、スズキ様との技術交流や定置用での実績が実り、スズキ様が手掛けられる多様なモビリティ領域へ参入できることを大変嬉しく思います。当社は創業当初より、定置用途とモビリティ用途に共通で利用可能な大型リチウムイオン電池の実用化を目標に掲げ、大和ハウス工業様が手掛ける高級住宅や賃貸住宅、商業施設、物流倉庫などを中心に蓄電システム領域の市場開拓を先行してまいりました。

 

今後はこの共同開発を通じて、これまで定置用途で培ってきた独自技術に磨きをかけ、モビリティの電動化に役立つ競争力の高いリチウムイオン電池で貢献するとともに、モビリティ領域ではスズキ様、蓄電システム領域では大和ハウス工業様をはじめとするパートナー企業様との連携の下、循環型社会・カーボンニュートラル社会の実現に向けてさらなる前進をしてまいります」。

 

・スズキ 鈴木社長
「2012年以降、エリーパワー様とは技術交流を行ってきました。このたびの関係強化により、電動モビリティへの変革が求められる現代において、高安全、長寿命、温度特性などの独自技術や蓄電池活用に関する知見をお持ちのエリーパワー様と一緒に、カーボンニュートラル社会実現に向けた取り組みを推進してまいります。また、環境への配慮と高い性能を両立させたモビリティに適したリチウムイオン電池の共同開発にも取り組みます。スズキは、エリーパワー様および他の出資企業様と連携し、持続可能な環境づくりを進めてまいります」。

 

 

[会社概要]
<エリーパワー>
– 会社名:エリーパワー株式会社
– 設立:2006年9月
– 代表者:代表取締役会長兼CEO 吉田博一
– 本社所在地:東京都品川区
– 事業内容:大型リチウムイオン電池および蓄電システムの開発、製造、販売。

 

<スズキ>
– 会社名:スズキ株式会社
– 設立:1920年3月
– 代表者:代表取締役社長 鈴木俊宏
– 本社所在地:静岡県浜松市
– 主要製品:四輪車・二輪車・船外機・電動車いす等。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。