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2024年11月18日【CASE】

スズキと印タタ、「エネルギー極少化」で技術協力体制を敷く

坂上 賢治

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インドのタタ・エレクシー社( Tata Elxsi / 本社:印カルナータカ州バンガロール、CEO:マノージュ・ラーガワン )は11月18日、日本のスズキと共同で「スズキ – タタ・エルクシー・オフショア開発センター( SUZUKI-TATA ELXSI Offshore Development Center )」をインド国内( マハラシュトラ州プネ )に設置することを発表した。

 

このタタ・エレクシー社は、時代を大きく遡ると1979年に米シリコンバレーで創設されたエレクシー・コーポレーション( Elxsi Corporation )という源流に行き着く。

 

当初のエレクシー・コーポレーションは、パーソナルコンピューターの開発・製造企業として活動していたが、 その後、タタ傘下となって以降はタタ・エレクシー社と名乗り現在(1989年以降)は、自動車産業を含む電子機器、通信・運輸・メディア産業の組み込みシステム、ソフトウェアのアプリケーションの開発に取り組んでいる。

 

現在は、自律走行車、電気自動車、コネクテッドカー技術、ソフトウェア定義車両 (SDV) にも関わり、世界有数の大規模設計スタジオ、開発センターを介して13,000人を超えるエンジニアとスペシャリストを抱える同国最大のテクノロジー企業となっている。

 

 

一方、スズキは目下、世界規模で〝エネルギー極少化〟を課題に掲げ( 先の7月17日に鈴木俊宏社長は、軽量化技術を加速させるべくエネルギーの極小化で脱炭素に挑む方針を示した )、その実現に向けて精力的な技術開発に挑んでいるが、今後、インド国内では両社によって設立した同開発センターに関連の設計業務の一部を委託する。

 

これを受けてタタ・エレクシー社は、スズキ – タタ・エルクシー・オフショア開発センターの中核拠点をマハラシュトラ州プネの施設内に設置。課題解決に向けて更なる効率化を図っていく構えだ。

 

そこで上記を踏まえて同日、当地プネに於いて開所式を実施。タタ・エレクシー社のマノージュ・ラーガワンCEOと、スズキの加藤勝弘 取締役専務役員 技術統括がこれに出席した。

 

開所式の壇上で加藤専務は、「業界がコネクテッド、自律、シェアリング、電動化の技術で進歩するなか、スズキは多様な顧客需要を満たすべく電子技術の深化研究および仮想化開発環境などを加速化させていく必要があります。

 

タタ・エルクシー社は、高度なコンピューティング、シミュレーション、デジタル設計の専門知識を備えており、先進的なソリューションを市場に投入する理想的なパートナーです。

 

今回の両社による戦略的かつ長期的なパートナーシップは、スズキのエネルギー極小化に向けた取り組みに於いて、タタ・エルクシー社が抱える最先端技術者の才能が、当社の世界的な取り組みに貢献してくれることに大いに期待しています」と述べ、スズキのイノベーション戦略の中核要素としての同センターの重要性を強調した。

 

対してタタ・エルクシーのMD兼CEOであるマノジ・ラガヴァン氏は、「本日から稼働となるスズキ・タタ・エルクシー・オフショア開発センターの開設は、スズキとのパートナーシップと、モビリティの未来に対する両社の共通のビジョンにとって重要な節目となります。

 

タタ・エルクシーのデジタルファーストを標榜する最先端のアプローチ姿勢は、スズキのエネルギー極小化と持続可能性を実現させるという目標を、積極的にサポートできる立場と技術的背景を持っており、スズキが目指す自動車工学の未来に向けて、その歩みを責任を持って前進させることができるでしょう。私たちは未来を目指すこの旅で、スズキの志をサポートできることを心より嬉しく思います」と結んだ。

 

タタ・エレクシーの概要
会社名 Tata Elxsi Limited
本社 インド・カルナタカ州バンガロール
代表者 Manoj Raghavan
創立 1989年
事業概要 自動車、メディア、通信、ヘルスケア、運輸などの設計および技術サービス提供
URL: https://www.tataelxsi.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。