インドのタタ・エレクシー社( Tata Elxsi / 本社:印カルナータカ州バンガロール、CEO:マノージュ・ラーガワン )は11月18日、日本のスズキと共同で「スズキ – タタ・エルクシー・オフショア開発センター( SUZUKI-TATA ELXSI Offshore Development Center )」をインド国内( マハラシュトラ州プネ )に設置することを発表した。
このタタ・エレクシー社は、時代を大きく遡ると1979年に米シリコンバレーで創設されたエレクシー・コーポレーション( Elxsi Corporation )という源流に行き着く。
当初のエレクシー・コーポレーションは、パーソナルコンピューターの開発・製造企業として活動していたが、 その後、タタ傘下となって以降はタタ・エレクシー社と名乗り現在(1989年以降)は、自動車産業を含む電子機器、通信・運輸・メディア産業の組み込みシステム、ソフトウェアのアプリケーションの開発に取り組んでいる。
現在は、自律走行車、電気自動車、コネクテッドカー技術、ソフトウェア定義車両 (SDV) にも関わり、世界有数の大規模設計スタジオ、開発センターを介して13,000人を超えるエンジニアとスペシャリストを抱える同国最大のテクノロジー企業となっている。
一方、スズキは目下、世界規模で〝エネルギー極少化〟を課題に掲げ( 先の7月17日に鈴木俊宏社長は、軽量化技術を加速させるべくエネルギーの極小化で脱炭素に挑む方針を示した )、その実現に向けて精力的な技術開発に挑んでいるが、今後、インド国内では両社によって設立した同開発センターに関連の設計業務の一部を委託する。
これを受けてタタ・エレクシー社は、スズキ – タタ・エルクシー・オフショア開発センターの中核拠点をマハラシュトラ州プネの施設内に設置。課題解決に向けて更なる効率化を図っていく構えだ。
そこで上記を踏まえて同日、当地プネに於いて開所式を実施。タタ・エレクシー社のマノージュ・ラーガワンCEOと、スズキの加藤勝弘 取締役専務役員 技術統括がこれに出席した。
開所式の壇上で加藤専務は、「業界がコネクテッド、自律、シェアリング、電動化の技術で進歩するなか、スズキは多様な顧客需要を満たすべく電子技術の深化研究および仮想化開発環境などを加速化させていく必要があります。
タタ・エルクシー社は、高度なコンピューティング、シミュレーション、デジタル設計の専門知識を備えており、先進的なソリューションを市場に投入する理想的なパートナーです。
今回の両社による戦略的かつ長期的なパートナーシップは、スズキのエネルギー極小化に向けた取り組みに於いて、タタ・エルクシー社が抱える最先端技術者の才能が、当社の世界的な取り組みに貢献してくれることに大いに期待しています」と述べ、スズキのイノベーション戦略の中核要素としての同センターの重要性を強調した。
対してタタ・エルクシーのMD兼CEOであるマノジ・ラガヴァン氏は、「本日から稼働となるスズキ・タタ・エルクシー・オフショア開発センターの開設は、スズキとのパートナーシップと、モビリティの未来に対する両社の共通のビジョンにとって重要な節目となります。
タタ・エルクシーのデジタルファーストを標榜する最先端のアプローチ姿勢は、スズキのエネルギー極小化と持続可能性を実現させるという目標を、積極的にサポートできる立場と技術的背景を持っており、スズキが目指す自動車工学の未来に向けて、その歩みを責任を持って前進させることができるでしょう。私たちは未来を目指すこの旅で、スズキの志をサポートできることを心より嬉しく思います」と結んだ。
タタ・エレクシーの概要
会社名 Tata Elxsi Limited
本社 インド・カルナタカ州バンガロール
代表者 Manoj Raghavan
創立 1989年
事業概要 自動車、メディア、通信、ヘルスケア、運輸などの設計および技術サービス提供
URL: https://www.tataelxsi.com/