スズキとパナソニックグループ傘下のパナソニックサイクルテック (以下、サイクルテック社)は9月15日、電動アシスト自転車の駆動ユニットを活用した新たなモビリティの開発で合意したことを発表した。
なお、両社は既に1999年段階でOEM契約を締結(ナショナル自転車工業との契約として始動)。現在、スズキでは、サイクルテック社から供給を受けた電動アシスト自転車を、「ラブ SNA24/26」として販売している。
今回の合意に基づいて、両社は、サイクルテック社が開発・製造・販売を行う電動アシスト自転車の小型・軽量な駆動ユニットとリチウムイオンバッテリーを活かし、スズキの二輪車開発技術と組み合わせることで、新しいモビリティについて商品化の可能性を検討する。
より具体的には、スズキが新しいモビリティの企画・実験を担当し、サイクルテック社が、試作車の製作、駆動ユニットの供給などを担うかたちだ。
両社は、二輪車と電動アシスト自転車のノウハウを持ち寄り、協力することで、将来のカーボンニュートラルに向けた新しいモビリティの提案へつなげていきたいとしている。
なお以降は、いち記者の単なる戯れ言ではあるが、二輪車と電動アシスト自転車のノウハウを持ち寄るとされていることから、既に両社で事業化している単なる電動アシスト自転車などではなく、永年、二輪スポーツにも長けたスズキゆえに、独・ボッシュこと、ロバート・ボッシュGmbHによるプレミアム電動アシスト自転車用ユニットBosch eBike Systems(ボッシュ・イーバイクシステム)に準じたMTBなどのスポーツサイクル展開。
またヤマハ発動機が2019年1月に資本業務提携を締結した和歌山のモビリティベンチャーglafitによる自転車+原付の二刀流バイクの〝 GFR-02 〟。ホンダの現代版バタバタ〝 SmaChari (スマチャリ)〟など、今や多様な事業が考えられる。
そもそも軽く強靱なモビリティづくりというキーワードで、KDDIと組んで月面探査レースのローバーづくりにも挑んだスズキゆえ、トヨタのレクサスのように、更なる上位のプレミアムカーづくりを求めて、敢えてレッドオーシャンに飛び込むより、今よりも小さく、まだ見ぬ軽量モビリティへの挑戦の方が、自社が蓄積した歴史の厚みを勝機に繋げられるということなのだろう。
実際、カワサキモータージャパンによる電動三輪ビークル〝 noslisu (ノスリス)〟、警視庁が進める原付二種の原付化、そもそもスズキが得意としてきたいわゆるセニアカー市場へのベンチャー企業達の参入など、カーシェアなどで揺れる普通自動車の産業領域よりも、自動車以下・軽車両未満の領域で大きく深い隠された金鉱が眠っている可能性は高そうだ。