住友ゴム工業は3月3日、トラックのタイヤ状態を一元管理できるアプリケーション「ESP3.0(イーエスピーサンテンゼロ)」の提供を開始する。対象はDUNLOP(ダンロップ)の「タイヤ空気圧･温度管理サービス」の駐車場管理式およびテレマティクス式のツールを利用するトラック運行会社などのユーザーとなる。

アプリケーションでは、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)から得た空気圧と温度データーに加え、点検で得られた溝と外観のデーターを組み合わせて、タイヤの異常をリアルタイムで知らせる。更に得られたデーターを基に、タイヤ交換やローテーション、リトレッド用タイヤを提案し、効率的な保守管理によって、タイヤ起因の運行トラブルを未然に防ぐ。

昨今の物流業界では、ドライバー不足や輸送力の低下に伴い、業務効率化と安全性向上への対応が急務になっている。特に長距離輸送では複数のドライバーがリレー形式に車両を引き継ぐことが増えてきた。その際、定量的に点検結果を記録し、次のドライバーへ車両状態を正しく引き継ぐ必要がある。

そこで　「タイヤ空気圧･温度管理サービス」のユーザビリティを向上させた「ESP3.0」では、タイヤに装着されたTPMS(タイヤ空気圧監視システム)から得られるリアルタイムのタイヤの空気圧･温度データーに加え、これまで報告書で提供していたタイヤの溝･外観の点検データーをアプリケーションで一元管理することを可能にした。

タイヤに異常生じた際には、運行管理者にはアプリケーションを介して、ドライバーにはメールで異常を知らせる仕組み。アプリケーション上では、すぐに対応が必要なものは赤色、近々メンテナンスが必要なものは黄色で表示される。また複数の車両を保持する事業者の場合、対応が必要な車両順に表示されるので、効率的な保守管理で車両の稼働停止期間を短くすることが可能になる。

また、新たに適正なタイヤ空気圧で運行した場合の燃費削減額、タイヤ寿命までの走行距離、CO2削減量も見える化する。車両ごとのコスト改善の指標となるデーターを提供することで、サステナブルな事業運営に貢献したい考え。

同社では、「今後、CASE/MaaSといった自動車業界の変革は、運送業でも社会課題解決や付加価値向上に欠かせないものになっていくと考えられています。当社では、そのような環境変化に対応すべく、安全性能･環境性能を一層高めたタイヤ開発および周辺サービス展開のコンセプトである〝SMART TYRE CONCEPT〟を掲げています。そうした周辺サービスの1つである〝タイヤ空気圧･温度管理サービス〟の拡充によって、安全で事故のない社会づくりに貢献していきます」と話している。