ステランティス N.V.は11月8日(ブラジル時)、〝We Win Together(共に勝利する)〟という自社の中核的価値観を掲げた毎年恒例のイベント「第8回 Factory Booster Day2023(ファクトリー・ブースター・デー2023)」を開催。
共に空間を分かち合うリアル環境だけでなくメタバース プラットフォームも利用し、世界64のサプライヤー企業やスタートアップ企業と共にプレゼンテーションやデモンストレーション発表を共有。ステランティス製品改善策の可能性を模索した。
今回、ブラジル・ベティムで開かれたファクトリー・ブースター・デーでは、炭素排出量を2030年までに2021年の排出量から50%削減し、かつ2038年までに排出量実質ゼロを実現するというステランティスの長期戦略計画「Dare Forward2030(デア・フォワード2030)」に沿った35の課題を公開公募で規定し、参画企業と共有。最も有望なソリューションを持つ99の社の技術提案を讃えた。
これら課題解決に繫がる技術提案には、ステランティスの資産を利用したパイロットテストを行う権限が与えられ、テスト結果は、ステランティスの技術リーダーが率いるイノベーション委員会によって検討・共有。優れた施策は世界中の他のステランティス工場に導入される。そんな今回の2023年に於けるファクトリー・ブースター・デーの技術提案の一例には次のようなものがあった。
– AIを活用してプロセスのパフォーマンスを向上させる技術。
– エネルギー消費をモデル化し、測定し、より適切に管理する技術。
– BEV バッテリーの緩みや汚染を検出する技術。
ステランティスの最高製造責任者であるアルノー・ドゥブッフ氏は、「100年に1度の変革期にある自動車産業に於いて、我々は革新的な技術を分かち合う強力なコミュニティを共有しています。
毎年開催されるこの素晴らしい年次イベントにより、私たちは共に技術の効率性と競争力を向上させることができ、それが引いてはお客様の利益に結びつきます。
あらゆる面でイノベーションをもたらしてくれるビジネスパートナーの皆様には心から感謝の意を表したいと思います。
例えば、既にステランティスの製造現場で採用されたイノベーションには次のものがあります。車両ドアのショートフランジをハイテク溶接することにより、レーザー溶接に比べて溶接部の品質と安定性が向上しコスト削減に繫がったもの。
移動組立ラインで、コンピューターアルゴリズムを介したビジョンツールを用いて、ありとあらゆるオブジェクトを追跡。結果、最小限のコストで組み立てラインを統合できるソリューション。
生産工程のクラウド分析を介して、個々工程のエネルギー使用量をリアルタイムで測定。それらのエネルギー使用量を動的管理し異常を検出するシステム。
これらファクトリー・ブースター・デーで見い出された様々な技術は、エネルギー使用量の削減やより完成度の高い製品づくりに役立つなど、その成果は多岐に亘ります。
またそれらは全て、当社が掲げているデア・フォワード2030の戦略目標を達成する上で重要な役割を果たしています。
これらのお陰で我々は2022年の製造工程に於いて、定めていたスコープ1及び2の二酸化炭素排出量を2021年段階から11%削減することが出来ました。
また工程自動化・デジタルソリューションの進展・人工知能の導入などにより、生産現場に於けるコストを2030年までに40%削減する目処が見えて来ています。
結果、当社は2038年までに、全ての企業活動に於いてカーボンネットゼロ企業になることができるでしょう。また併せて従業員の健康維持・安全性・多様性を包括性に実現。最適な職場としての評価も高められていることに感謝したいと思います」と述べた。