ソラコムは、運営するIoT通信プラットフォーム「SORACOM」において、KDDIのau 5Gネットワークを利用したMVNO事業を今年度中に開始する。
また両社は、5Gを活用したユースケース創出にむけた技術検証として、「AWS(Amazon Web Services) Wavelength」を活用した、超低遅延アプリケーション環境の実証実験を7月に開始した。
■「SORACOM」の5G対応
ソラコムは、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」を通じて、IoT通信と「つながる」ためのシステム構築に必要となる様々なサービスを提供している。
「SORACOM」は、4G LTEのセルラー回線に加え、省電力なLPWA (Low Power Wide Area network) を活用したLTE-MやSigfoxを利用したIoTサービスも提供。少ない初期費用でIoT活用をスピーディに実現するため、7月現在、1万5,000を超える企業に活用されていると云う。
ソラコムは、KDDIが3月に提供開始したau 5G(2022年3月に全国5万局予定)に、今年度中に「SORACOM」を対応させることで、その特長である高速・低遅延・多接続を活かした大量の機械のログデータや映像データをクラウド側で解析する用途などでのIoTシステム構築を可能に。さらに、現在提供している「SORACOM」の各種機能やサービスを5Gでも利用可能にすることで、新たなユースケースの創出に貢献していくと云う。
なお、「SORACOM」の5G対応の詳細については、ソラコムから改めて案内される。
■5G活用にむけた共同実証実験
KDDIは、AWSが提供するエッジコンピューティング・ストレージサービス「AWS Wavelength」の日本での展開に向け、AWSとパートナーシップを結んでいるが、今回この「AWS Wavelength」とau 5Gネットワークに、ソラコムのコアネットワークを組合せた超低遅延アプリケーションの実証実験を7月から開始した。
「AWS Wavelength」をau 5Gネットワークを利用する端末の近くに配備することで、アプリケーション開発者は、AWSと同じコンピューティングとストレージサービスを利用し、機械学習やIoT、VRやARなどの超低遅延アプリケーションの提供が可能になると云う。
ソラコムは、KDDIが2018年7月に提供開始した省電力通信規格LTE-Mに「SORACOM」を当初から対応させるなど、KDDIグループへの参画(2017年8月)以降、様々な協業を進めてきた。
また、2018年からKDDIが提供開始したグローバルビジネス展開を推進するビジネスプラットフォーム「IoT世界基盤」において、「SORACOM」の通信を用いて、グローバル企業のIoT活用を支援するなど、最新のIoT通信の活用促進に取り組んでいる。
両社は、今後も5G・IoTをはじめとする両社の最先端のテクノロジーを活用し、幅広い顧客ニーズに沿ったDXを推進することで、新しい体験価値を創造していくとしている。