ソリトンシステムズは6月23日、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募していた「AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業/AIチップに関するアイディア実用化に向けた開発」において、同社の「再構成可能なアナログニューロン回路を用いた超低消費電力AIチップの開発」の提案が採択されたことを発表した。
ソリトンシステムズは、長年にわたり半導体の回路設計に携わっており、最近ではアナログ・ディジタルミックスシグナル回路に関するノウハウを活かして人感センサーチップの設計開発を行い商用化している。また、信号処理の分野においては、FPGA向け高位合成ツールの開発および当該ツールを用いたディープラーニングアルゴリズムの設計開発にも長年携わっている。これらの技術を応用し、数百μW以下の超低消費電力で動作し、各種センサーへの統合が可能なアナログエッジAIチップと当該AIチップの回路を再構成するツールの開発を行う。
現在、AIの活用には、「クラウドAI」と「エッジAI」の2通りがある。ソリトンが今回、開発するアナログエッジAIチップは、上記の「エッジAI」でエッジ側に搭載され、超低消費電力かつ高速で推論処理を行う。例えばIoT機器の音声・ジェスチャーによる制御、機器・インフラの故障検知、生体センサーと統合した体調不良の検出、ロボット制御、自動運転・ドローン制御など幅広い分野のエッジ側で高度な知的機能を付加することが可能になる。
なお、このアナログエッジAIチップは、2023年度の商品化を目指している。