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2023年6月26日【エネルギー】

シナネンホールディングス、米ワイトリシティと連携展開へ

坂上 賢治

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エネルギーと建物管理のシナネンホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長:山﨑 正毅)は6月26日、EV(電気自動車)のワイヤレス充電システムの生産・販売を展開するWiTricity Corporation(ワイトリシティ コーポレーション/本社:アメリカ・マサチューセッツ州、CEO:Alex Gruzen)と、今後の協力関係に関する基本合意を締結した。

 

WiTricityは、マサチューセッツ工科大学(MIT)でEVのワイヤレス充電技術を開発していた研究室のメンバーがスピンアウトし、2007年に設立した先端技術企業。

 

WiTricityは、ワイヤレス充電技術について、1,300件以上の世界的な特許を所有しており、これまでは自動車メーカーや電力機器メーカーをはじめとするライセンシー企業による実装を行ってきたが、今後は「WiTricity Halo™」の地上側送電パッドや車両側レシーバー等の生産を開始することに伴うWiTricityブランドによる一般販売開始を目指している。

 

そこで、これに合わせて、日本市場においてもWiTricityブランドの製品販売を展開するべく、シナネンホールディングスとWiTricityとの間で協力関係の構築に関する基本合意を締結したという流れだ。

 

なお同社のワイヤレス充電システム「WiTricity Halo™」は「磁界共鳴方式」を採用し、地上に設置された送電パッドと、EVに取り付けられた受電パッド(レシーバー)との間で、磁界を共鳴させることで電力を供給する仕組みだ。

 

このためEVと充電機器とをコードで繋ぐ必要がなく、EVを送電パッドの上に停車させ、エンジン(パワースイッチ)を切るだけで、自動で給電開始となる。

 

標準伝達電力は11kwで、ケーブルが必要なレベル2充電システムと同等の電力転送効率、充電時間で充電が可能。車両側レシーバーは、PHEV、BEVなどに適用できる。加えて既存のEVへの後付けも車種によっては可能。

 

またV2H(Vehicle to Home)やV2G(Vehicle to Grid)の技術を用いて、常にEVをワイヤレスで繋げておくことで可能にする、分散電源・非常電源としての活用の他、将来は充電装置を道路内に埋め込んで設置することによる、走行中充電も期待されている。

 

上記を踏まえシナネンホールディングスは、WiTricityの日本展開に於ける事業パートナーとして、子会社であるシナネン株式会社がWiTricity製品の日本国内への輸入から、一般向けへの販売業務などを目指す。

 

またシナネンおよびグループ会社のリソースを活用し、既存EV車両へのレシーバーの設置、ウォールボックスおよび送電パッドを兼ね備えた充電場所の設置・普及等も推進していく。

 

装置と製品の個々機能は以下の通り

 

 

ウォールボックス
ウォールボックスには、グリッド供給を充電パッドに供給する高周波エネルギーに変換するために必要な高出力電子機器が設置されている。

 

送電パッド(地上パッド)
送電パッドには、一次コイルと、そのフェライト、シールド、およびウォールボックスからの高周波エネルギーを車両受信機に効率的に転送するために磁場に変換する共振整合ネットワークが格納されている。

 

レシーバー(車両受信機)
車両に搭載された受信機は、送電パッドが生成する磁場からエネルギーを取得し、そのエネルギーを直流電流に変換し、電気自動車に電力を供給することでバッテリーを充電する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。