製造のアジリティと効率性を増進する「Siemens Industrial Copilot」
シェフラーとシーメンスは4月26日、ハノーバー・メッセにて覚書(MoU)を締結した。両社は今後、産業部門でのAI活用を推進し、将来的な製造のデジタル化の具現化に共同で積極的に貢献していく。
ハノーバー・メッセに於いてシェフラーとシーメンスは、AIを用いた産業オートメーションソリューション「Siemens Industrial Copilot」と、シェフラー特殊機械部門の製造機械とのコラボーレーションを披露した。生成AI搭載型アシスタントは、自然な話し言葉で機械の複雑なコードを自動生成できるため、製造現場のマシンオペレータはより効率的に作業できるようになるという。
そもそもシェフラーは、様々なアプリケーションに於いて既に多数のAIソリューションを活用している。そうしたなかで今回シェフラーとシーメンスは共同でプロジェクトを進めており、シェフラーグループの特殊機器の製造を行う特殊機械部門のロボットセルに「Siemens Industrial Copilot」を試験モードで搭載した。
これによりAIソリューションで製造プロセスでの複雑なプログラミングコードを生成するなどのタスクが行えるため、マシンオペレータの人件費を削減できる。
シェフラーは生産機械のプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)向けコード生成にAIベースのアシスタント「Siemens Industrial Copilot」を導入した
また「Siemens Industrial Copilot」により、ガイドラインやマニュアルなどの関連文書にアクセスできるため、現場でのエラー原因の特定が容易になる。AIベースのアシスタントは、機械の対応や検証(バリデーション)に関して、さらに大きな可能性をもたらすと説明している。
強力なパートナーを得て、生成AIソリューションの開発・活用を推進
今回の製造のデジタル化についてシェフラーAG最高経営責任者(CEO)のクラウス・ローゼンフェルド氏は、「デジタル化はシェフラーの重要テーマの一つです。AIベースのソリューションを活用していくことは、製造プロセスをより革新的に、アジャイルに、そして効率的なものとする決め手となります。
シェフラーは、シーメンスという強力な産業パートナーを得て、生成AIソリューションの開発・活用を推進し、お客さまのために付加価値を生み出していきます」と述べた。
「Siemens Industrial Copilot」は、シェフラーにおいて、ヒューマン・マシン・インタラクションをより直感的、効率的および高速化させていく
またシーメンスAG取締役兼デジタルインダストリーズCEOのセドリック・ナイケ氏は、「シーメンスとシェフラーは、工場の高度自動化・デジタル化実現の道を歩んでいるパイオニアです。
『Siemens Industrial Copilot』により、生成AIの機能がシェフラーの製造現場に導入されます。シェフラーとシーメンスは共に、機械コードの生成からAIベースのメンテナンスまで、製造にAIがいかに大きな変革をもたらすかを示していきます。そして、これはまだ始まりにすぎません」と双方の協力の成果についてコメントした。
更にシェフラーAG最高執行責任者(COO)のアンドレアス・シック氏は、「シェフラーでは、これから効率の10年が始まります。『Siemens Industrial Copilot』によってAIが今日の製造現場で活用できることが証明されました。
『Siemens Industrial Copilot』を導入することで、製造現場の弊社エンジニアに革新的なデジタルツールを提供し、作業の簡素化と大幅な効率化を実現できます。シェフラーは、シーメンスと協力し、製造を新たなデジタルレベルへと引き上げます」と結んでいる。