埼玉工業大学とアイサンテクノロジーは4月6日、自動運転技術の研究・開発で協力関係を強化するべく連携協定を締結した。
両者は、自動運転の社会実装の推進に向けて、Autoware(自動運転システム用オープンソースソフトウェア。The Autoware Foundationの登録商標)をベースにした自動運転車両の開発や構築。並びに各種実証実験の参加でも協力関係を強化、自動運転レベル4への対応に向けて連携していく。
両者が技術連携を締結した背景には、自動運転の普及に向け特定の場所での運転を完全に自動化する「レベル4」を許可する改正道路交通法が成立。既に4月1日から施行(公道走行の解禁)されている事などがある。
加えて、経済産業省と国土交通省は2025年度までに全国40カ所で自動運転の実証実験を展開する目標を掲げている。従って今後、自動運転技術の本格的な実装が始まる見込みであるため。
なお埼工大は、2017年に地元・深谷市の公道上での自動運転実証実験を開始。2019年には自動運転マイクロバス、そして2021年には大型バスを開発し、全国各地での公道自動運転の実証実験に参加してきた。2021年度には年間1万km以上の自動運転による走行を実施している。
またアイサンテクノロジーは、2010年より自動運転分野での研究開発を開始。これまでに国内トップレベルの水準を誇る500を超えるプロジェクトで高精度3次元地図データを提供してきた。
加えてAutowareを利用した自動運転車両で100を超える様々なフィールドで自動運転実証実験を行い、走破し続けてきた。更に複数台の車両を用いた遠隔型自動運転や5G通信を用いた自動走行といった国内初の取り組みをなど、先進的な内容にも積極的に取り組んでいる。
これらを踏まえ今後、両者は、今連携協定に基づき協力関係を強化。それぞれの強みを活かした連携により「レベル4」への対応を含めて、社会ニーズに対応した自動運転技術の開発、バス車両開発、および実証実験に積極的に取り組んで行く構えだ。
具体的な連携内容は以下の通り
(1)自動運転技術に関連した社会ニーズの掘り起こし
(2)社会ニーズに即した自動運転技術の開発及び環境整備
(3)自動運転オープンソースである「Autoware」を利用した技術開発
(4)次世代モビリティサービス・自動運転技術の社会実装に向けた技術検討
(5)自動運転技術の関連産業の振興
(6)その他、自動運転に関する活動