UIデザインやソフトウェア開発のQtグループ( Qt Group / QTCOM )とLGエレクトロニクス( LG / LG Electronics )は7月2日、LGのwebOS搭載車内エンターテインメントプラットフォーム( ACP / Automotive Content Platform )を対象に、Qt Groupのソフトウェア開発フレームワークをアプリケーション開発に組み込むために協業する。
この両社の取り組みによって、自動車OEMの開発者と設計者がより革新的で没入感のあるコンテンツストリーミングサービスを開発することを可能になるという。
今協業は、家電分野を中心に採用されている高度なカスタマイズに対応したLGのオープンソースwebOSに対してQtがサポートする。LGはこれまで、スマートTV、サイネージ、スマートモニター、家電製品の各種デバイスを対象に、簡単かつ直感的なユーザーインターフェース( UI )とユーザーエクスペリエンス( UX )を実現できるQtフレームワークを活用してきた。
一方、今回のACPは車内のコンテンツストリーミング体験に特化。LGは既に、大手自動車メーカーの最新の自動車モデル向けに車内エンターテインメントプラットフォームを展開しており、ACPプラットフォームに最新のエンターテインメントを提供するため、グローバルなストリーミングサービス企業と提携していく。
この車内コンテンツプラットフォームが、より多くの自動車ブランドのインフォテインメントシステムへの搭載が拡大されることにより、Qtは今後、ACPの将来的な開発の原動力となるという。
そんなQtフレームワークの強みは、開発プロセスを加速させる初期設定不要の機能性にある。Qtは起動時間とパフォーマンスが高速で、動作時のメモリ使用も効率的なため各種機能に対する信頼感をもたらす。
LG Electronics VS CompanyのR&Dラボ担当シニアバイスプレジデントのSang-Yong Lee氏( リー・サンヨン )は、「高度なソフトウェアの開発は、車内体験の向上に不可欠な要素であり、LGとQt Groupの協業によりモビリティイノベーションという重要分野に於ける私たちの能力を高めるでしょう。
Qt Groupのような革新的なパートナーと協業することで、LGは今後も没入感のある車内体験を創造し、自動車メーカーとユーザーの様々な需要に応えていくことができます」と述べた。
対してQt Group最高経営責任者であるJuha Varelius氏( ユハ・ヴァレリウス )は、「LGはこれまで長年に亘り、Qt Groupの信頼できるパートナーであると同時に、インフォテインメント分野のイノベーションをリードしてきました。
没入感ある車内体験の向上を後押しできることは、当社にとって大きな喜びです。こうした車内向けのWebベースアプリケーションには、大規模な開発者のエコシステムが存在しています。
そして、QtがLGのwebOS搭載ACPで不可欠な役割を果たすことで、開発者はアプリケーションをOSにネイティブに構築し実行することがより容易になります。自動車企業の大半は既にQtベースのアセットを自社のソフトウェアに採用しており、今回の発表もまた、自動車業界に於けるQt Groupにとっての更なる重要なマイルストーンとなります」と語った。
そんなQt Groupの設計、開発、品質保証の各種ツールは、開発者と設計者のより緊密な連携の促進を目的としている。これらの製品は、同一フレームワーク内での同時作業を可能にすることで、ワークフローを合理化する。従ってQt Groupのツールは、低消費電力の組み込みデバイスなど、クロスプラットフォーム開発に最適であると結んでいる。