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オルツは、「個人の属性情報の集合体を利用するためのシステムおよびプログラム」を開発し、同技術の特許を8月10日に取得した。(特許番号:特許第6382359号)
この技術は、自然言語による対話の中でコンピューターが質問に答える際に、属性データの集合体から、個人に関連する、S(主体)・P(属性)・O(属性の値)の組をサーチして特定するものだと云う。
オルツが開発する「対話エンジン」は、この技術を活用することで、利用者の対話データの中に質問の回答に直接該当するものがない場合でも、適切な対話の生成ができるとのことだ。
例えば、「あなたの弟の同僚の特技は何ですか?」という質問に答えるために、①わたしの弟はA、②Aの同僚はB、③Bの特技はプログラミング、というように要素を分解。その上で属性情報の集合体をサーチして、それぞれ該当するS・P・Oの組合せを抽出し、最終的に、「私の弟の同僚の特技はプログラミングです」という回答を特定する。
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個人の属性情報の集合体を利用するためのシステム(全体像イメージ)
[背景]
オルツでは、本人に代わってさまざまなタスクを行うパーソナルな人工知能の研究開発をしている。そこで鍵となるのが、AIにその人らしい判断を代行させる技術だが、この実現のためには、個人のビッグデータが欠かせないとされてきた。
しかし一般的には、個人に関する全てのデータ(行動履歴、コミュニケーションなど)の一元的収集は難しく、使えるデータの量や範囲は限られる。
一方、パーソナライズされたAIへの期待は高まっており、この実現には、上記の通り、個人の様々なデータが必要となる。
オルツは、こうした問題の解決のため、属性情報の集合体をサーチして回答を生成するシステムを開発したとしている。
[今後の展開]
オルツでは既に、同技術を「alt 対話エンジンver1」に適用しており、現在、企業への提供を進めている。
適用領域は、コンタクトセンターや店舗窓口などのカスタマーエンゲージメントで、特に、専門知識とヒューマンスキルが必要な金融サービスやケアサービス、マーケティングなどでの活用を想定していると云う。
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2018.7.12 開催 「オルツ P.A.I. カンファレンス ~OPERA~」にてalt対話エンジンのデモを披露。対話エンジンと、裏側で人が操作するPCを並べ、対話の精度を競った
■(オルツ)人間のように自然な対話ができる「alt対話エンジン ver1」を発表:https://alt.ai/news/news-dialogue-engine/