パナソニック社内カンパニーのオートモーティブ社は、自動車用のコックピットのHMI(ヒューマンマシンインターフェース)を仮想空間で検証するVRシミュレータを開発した。
今回パナソニック オートモーティブ社が開発したVRシミュレータは、UI(ユーザーインターフェース)と、UX(ユーザーシーン)向けの2種類。
従来の紙の仕様書やPoC(※)等を使ったHMI検証は、現実の運転感覚とは異なることから、コックピットの開発において仕様の修正に多くの費用と時間を要してきたが、これらVRシミュレータの活用により、コックピット開発の効率化ができるとしている。
[VRシミュレータについて]
1)UIのシミュレーション
ゴーグルを使った仮想空間上で操作表示HMIを検証するためのもので、実際の操作とそれによる表示変化のインタラクティブな検証が可能(写真1)。コックピットの操作表示の仕様策定を効率化する。
2)UXのシミュレーション
ゴーグルを使わず、横2面と床1面のスクリーンに仮想空間を投影。乗り込みから降車まで、一連の乗車シーンを動きながら検証できる(写真2)。被験者の動きに沿った表示の変化とコックピットの意匠を同時に体感することできるため、表示仕様や意匠決定を効率化する。
パナソニック オートモーティブ社は今後、これら2種類のVRシミュレータを活用し、自動車用コックピットの搭載機器を開発。VRシミュレータ技術のさらなる活用と進化で、開発の効率化をはじめ、自動車のコックピット開発を企画段階からサポートできるシステムサプライヤーを目指す。
なお、UXシミュレーション向けのVRシミュレータは、東京モーターショー2019のスズキ展示ブース内「WAKUWAKUタイムトラベラー」に展示される。
※)PoC(Proof of Concept):新しい概念やアイデアを実証するための、試作段階における検証やデモンストレーション。