パナソニック社内カンパニーのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、従来比で2倍以上の出力と小型化を実現した小型EV向け「48V ePowertrain」新プラットフォームを開発した。
また、この新プラットフォームをベースとした上下分離構造のコンセプト小型モビリティ「SPACe_C(※1)」をCES2019(1月8~11日、米ラスベガス)に出展する。
「48V ePowertrain」は、電源システム部(車載充電器、ジャンクションBox、インバータ、DC-DCコンバータ)と駆動部(モータ)で構成され、前モデルのコンセプトを継承しつつ、モーター設計や冷却構造を見直すことで、従来と同じ容積で2倍以上の出力(出力密度2倍以上)となる18キロワット(従来8キロワット)の高出力を実現。
これにより、同じ出力を得るために従来2つ必要だったユニットが1つに削減可能となり、小型EVのさらなる軽量化、車室空間の拡大、走行距離の延長を可能とする。
この新プラットフォームをベースとした「SPACe_C」は、人、モノ、ことを細かくつなぐことで人々の暮らしを支え、観光地や街中などで小型モビリティの新たな活用を提案し、地域を活性化させることを目的にした新たなコンセプトの小型モビリティ。
「SPACe_C」では、世界中の様々な地域の小型モビリティニーズに対応するため、上下分離構造を採用し、上部を人・モノを運ぶだけでなく、こと・体験も提供するキャビンとし、下部を「48V ePowertrain」プラットフォームを含む小型モビリティのベースとなる「e-Torta」(※2)で構成。
上部を組み替えることで、ある時は人を運ぶモビリティに、ある時はモノを運んだり、イベントでことを提供するモビリティになったりと、様々な用途展開に対応し、各地域のニーズに合わせたカスタマイズを可能とした。
また、人を運ぶキャビンについては、パナソニックグループの快適住空間で培った技術を結集。多目的用途対応の上質な空間提供を実現していると云う。
CES2019・パナソニックブース内のConnected Mobilityエリアでは、実走行のデモンストレーションが可能な、人を運ぶキャビンの「SPACe_C」に加え、モノを運ぶモビリティの事例として、食品のデリバリーを担うフードキャビン「SPACe_C eMart」および「e_Torta」の核となる「ePowertrain CES2019モデル」が出展される。
※1:「SPACe_C」の名称は、小型モビリティのコンセプトキーワードであるSharing、Pod、Autonomous,Connected、e-Mobility、Communityの頭文字から命名。
※2:「e_Torta」の名称は、スペイン語の亀(Tortuga)をベースにした、親亀の背中に子亀が乗っているイメージを表現した造語。子亀にあたる「人・モノ・こと」を支える親亀をイメージさせる、親しみやすい名前として命名。
[SPACe_C ]
– 全長:3.85 m、全幅 1.68 m、高さ 1.95 m
– 本体重量:1.4 t
[プラットフォーム「48V ePowertrain」について]
グローバル市場でEVの急速な需要拡大が見込まれる中、各地域の様々な用途に合わせた多彩なモビリティとして、パナソニックでは、小型EV向け「48V ePowertrain」プラットフォームを昨年のCES2018に出展。
統合小型(Integrated compact)、高効率(High Efficiency)、拡張性(Scalable)に優れた、省電力で安全性の高いプラットフォームとして、車両の大きさや求められる仕様(走行速度やトルクなど)に応じて基本システムを組み合わせて使用することで、開発コストの削減や開発リードタイムの短縮に貢献する。