パナソニックと国立循環器病研究センター(国循)は12月16日、「ロボティックモビリティ PiiMo(※1)」を活用した、病院内移動支援の有効性を検証する共同研究を開始した。
パナソニックでは、要介護・高齢者の増加により検査・診察・リハビリなどの患者移送に看護師の多くの時間が費やされていること、また医療現場における深刻な人手不足を解決し、医療従事者の働き方改革を進めるためにも、ロボットによる患者移送の実用化が欠かせないと考えていると云う。
一方、大型病院の国循では、受診受付から診察室、X 線、CT・MRI などの画像検査、血液検査など複数個所の移動で、延べ数kmもの移動が生じることもあることから、患者および介助を行う家族、看護師などの大きな負担に。
両者は、健康、多世代居住、地域共生をテーマとしたスマートシティプロジェクト「Suita SST(※2)」を契機に、様々な分野における協業や連携を検討してきたが、今回、病院内の外来患者や入院患者の移動にパナソニック製「ロボティックモビリティ PiiMo」を、12月16日から来年の1月31日(うち4週間程度)の期間試用し、移動支援機能(安全停止機能、追従走行機能)の有効性を検証する。
パナソニックは今後、高齢者や障害者の病院内での移動支援を可能とし、移動困難な人が快適に受診できる病院環境を実現。また、外来や入院患者が多数移動し、高度な安全性が要求される環境である病院内へのモビリティや様々なロボット技術の導入でより安全に移動できることを実証し、社会実装に向けて大きく前進させたいとしている。
国循とパナソニックは、共同研究を通じて、移動が困難な人が快適に受診できる病院環境づくりと、高度な安全性を要求される病院内でのロボティクス技術の活用を拡大し、ロボティクス社会の実現に貢献していきたいとしている。
※1:(パナソニック)追従型ロボティックモビリティ PiiMo の販売を開始(10月27日リリース):https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/10/jn201027-1/jn201027-1.html
※2:(パナソニック)Suita SST:https://suitasst.com/JP/