パーソナル人工知能( P.A.I.)アプリ「al+(オルツ)」を提供するオルツが、分散型ニューラルネットワーク基盤の「al+ emeth(オルツ・エメス)」 を発表した。
al+ emeth基盤は、分散コンピューティング技術と、ニューラルネットワーク技術を組み合わせた非中央集権型の新たなアーキテクチャで、インターネットを介して世界中に散在するパソコンやサーバーの余剰能力をネットワーク化し、人工知能の学習に必要な大規模な演算処理能力の確保を可能にするプラットフォーム。
ニューラルネットワークの各ニューロンまたは各層単位で、処理を分散ノードへ割り振ることで並列処理を行う仕組みで、同社は、これを「al+ emethスーパーニューラルネットワーク」と名付け、人工知能の学習の速度と深度の極大化を目指すとしている。
al+ emethでは、オルツが分散型ニューラルネットワークの基盤を提供し、ニューラルネットワーク自体は、ネットワークへの参加者ノードの集合体で構築。参加者がネットワーク上で演算処理能力の提供を行う代わりに報酬を得る仕組みで、ノードへの参加とその自律的な成長を支える経済合理性を担保しているとのことだ。
また、al+ stack (*)を利用して蓄積した個人情報から自分自身の学習モデルを作成する際など、学習データのプライバシーを確保したまま al+ emeth の演算能力を享受したい場合にもデータの機密性を保つことができる仕組みとした。
具体的には、学習データをベクトル化し、本来の個人データとしての意味を逆算不可能にした上で、さらにデータを断片化してノードに処理を依頼することでこれを実現したとのことだ。
オルツは、al+ emethスーパーニューラルネットワークを活用し、パーソナル人工知能開発の加速と規模の拡大を目指すとしている。
*:分散型個人データストレージ・プラットフォーム「al+ stack」(2018年7月12日発表)
■オルツカンファレンス2018 〜OPERA〜(7月12日) プレゼンテーション動画一覧:
https://alt.ai/news/news-531/