沖電気工業(OKI)は、無線局免許申請などの手続きや専門的知識がなくても、スムーズなローカル5G導入を可能とする「ローカル5G支援サービス」を、11月17日から販売する。価格は、個別見積。今年12月から提供を始め、ローカル5G全体として2025年までに累計100億円の売上を目指す。
また、強みであるAIエッジ技術とローカル5Gを組み合わせる「AIエッジ×5G」提供し、企業のDXを推進する。
ローカル5Gは、通信キャリア事業者の5Gサービスを、自営ネットワークとして活用するために、企業などのプライベート空間に独自の無線局を開設するもの。ローカル5Gの自営無線システムを導入するためには、無線やIoTに関する高度な専門知識や、導入・運用に関するノウハウが必要となる。
今回OKIは、防災無線システムやETCシステムなど、数多くの無線システムの構築実績で培ったノウハウを活かし、無線局免許申請から無線通信環境を確認するための電波伝搬測定、無線ネットワーク設計・構築まで、ローカル5G導入のために必要な全工程にわたる支援サービスを提供し、企業のローカル5G導入を支援する。
<サービスの構成>
① 無線局免許申請支援サービス
電波伝搬測定およびローカル5Gネットワーク構築時に必要な、総務省への免許申請手続きを支援する。
② 無線通信環境確認サービス
ローカル5G導入の実現性および有効性を検証するため、顧客の利用環境における電波伝搬特性を計測し、通信エリア検討のためのデータを取得する。
③ 無線ネットワーク設計サービス
システム要件と電波伝搬測定の結果などから、ローカル5G無線の置局設計(注1)を含めたネットワーク設計および機器設定等の詳細設計を実施する。
④ システム構築サービス
顧客のシステム要件を実現するため、ローカル5Gネットワークの構築、ネットワーク性能評価および最適化を行い、システム構築を支援する。
OKIではまた、自社施設へのローカル5G導入により運用における知見を高め、さらなるサービス向上につなげるべく、本庄工場(埼玉県本庄市)にローカル5G実験試験局を開設し、製造現場、ならびに工場敷地内に設置されたITSテストコースへローカル5Gを導入。今年12月~来年3月にかけて「AIエッジ×5G」の社会実装に向けた実証実験を行う。
<実証実験の概要>
① 製造現場におけるローカル5Gを活用した省力化/効率化の検証
OKIが提供するManufacturing-DX(注2)による次世代スマート工場の実現を目指し、ローカル5Gを活用した映像など大量データの伝送や、AIエッジコンピューターによる画像処理などのリアルタイム処理を行うシステムを構築し、製造現場のさらなる省力化・効率化に向けた検証を行う。
② ITSテストコースにおけるローカル5Gを活用した自動運転への適用を検証
ETCシステムなどの商品開発評価や、通信技術、交通環境のセンシング技術の開発評価を目的に設置しているITSテストコースにローカル5G環境を設置し、自動運転支援への適用性について検証を行う。
今後OKIは、エコシステム戦略に基づき、顧客やパートナーとの共創を進め、「ローカル5G支援サービス」をローカル5G導入の「プロセス支援」として提供し、企業のDX推進を支援していくとしている。
注1)置局設計:無線基地局の最適な設置場所を設計すること。
注2)Manufacturing DX(マニュファクチャリング・デジタルトランスフォーメーション):製造現場を見える化する「現場変革」、現場と経営を高度かつ双方向に連携する「IT・オペレーション変革」、環境変化・法令対応・少量付加価値生産などのさまざまな経営判断を支援する「マネジメント変革」の3つの変革から構成されるスマート工場実現をめざしたOKIのソリューションコンセプト。
■(OKI)ローカル5G支援サービス:https://www.oki.com/jp/local5G/