Northvolt Cuberg 20Ahリチウム金属パウチセル
2016年に設立したスウェーデン・ストックホルムのバッテリー開発メーカーNorthvolt AG( ノースボルト社 )と、その傘下の次世代リチウムイオン電池開発のスタートアップCuberg( キューバーグ/カリフォルニア州 サン・レアンドロ )は4月25日( 欧州・北欧時 )、高密度のリチウム金属電池技術を用いた電気航空機向けの新たなバッテリーを発表した。
それによるとCubergは、エネルギー密度405Wh/kgの次世代20Ahの商用リチウム金属パウチセルを開発。現在はその出荷を含めて、モジュールの設計並びに製造工程。更に受動伝搬抵抗の達成など、重要なマイルストーンを既に達成していると謳っている。
Northvoltのピーター・カールソン(Peter Carlsson )CEO兼共同創設者は、「当社の航空システム・プログラムでは、Cubergの次世代リチウム金属セル技術とバッテリー製造の経験を活用し、電動航空機の世界でエンド・ツー・エンドのエネルギーソリューションを提供します。
我々は2022年7月に、リチウム金属セル技術に関する検証済み性能データを公開して以来、特に子会社のCubergは完全なバッテリーシステムの構築に向けて大きな進歩を遂げました。
併せてCubergは、280 Wh/kgで320Wh/Lのエネルギー密度を持つ20Ahリチウム金属セルをベースにした航空機向けセルの製造を開始しています」と述べた。
一方、Cubergのリチャード・ワン( Richard Wang )CEO兼創設者は、「航空機の性能を大幅に向上させるバッテリーシステムの構築で、信頼できるエンド・ツー・エンドのソリューションの提供が可能になりました。
我々Cubergの技術は、リチウム金属アノードと独自の液体電解質を使用して、バッテリーの性能の確保と製造上の課題を同時に解決しました。
リチウムイオンなどの既存のバッテリー技術は、航空機で使用するには重すぎて性能が低いケースがありますが、我々のバッテリーセルは軽量で高性能です。この技術は業界標準の製造方法とも互換性があり、バリューのサプライチェーン全体でも高いスケーラビリティ、信頼性、トレーサビリティを実現しています」と話している。
なおNorthvoltは、現在110ヵ国を超える多様国籍を持つ4,500人超の従業員を抱えるまでに成長。同社は現在までにBMW、Fluence、Scania、Volkswagen、Volvo Cars、Polestarなどの主要顧客から550億ドル以上の契約を獲得している。今後、全ての原材料要件のうち50パーセントをリサイクル可能素材で提供し、更に2030 年までに100パーセント再生電池の製造を目指している。