日産自動車は10月24日、次世代の電気自動車(EV)に搭載する電動駆動4輪制御技術の開発を目的としたテストカーを公開した。
テストカーは、「日産リーフe+」をベースに、前後2基の高出力電動モーターを搭載し4WD化。これに日産独自のシャシー制御を組み合わせることで、全く新しい電動駆動の4輪制御を実現する。日産では現在、同テストカーを使用し、より高次元の走行性能を発揮する技術の開発を進めている。
研究・先行技術開発を担当する専務執行役員の浅見孝雄氏は、以下のように話している。
「近い将来、日産は次世代のEVを投入する計画で、現在開発している電動駆動4輪制御技術は、日産が持つ電動化技術と4WD制御技術、さらにシャシー制御技術を融合させ、『走る、曲がる、止まる』性能を飛躍的に向上させます」。
その駆動システムは、システム最大出力227kW、最大トルク680Nmを発生。
高出力化に加え、同社電動化技術ならではのモーター制御により、どのような路面環境下においても力強く滑らかな加速性能を両立。また、2基の電動モーターの繊細にコントロールすることで、車体の揺動を抑える制御を行う。
例えば、市街地走行における減速時などでは、通常のフロントモーターの回生ブレーキに加え、リヤモーターの回生ブレーキも併せて活用することで車体の姿勢変化を抑制し、乗員の前後方向の揺れを減少。これにより、車酔いなどを抑える効果が見込まれると云う。
また、加速時や凹凸のある路面を通過する際には、モーターを最適にコントロールすることで車体姿勢の変化を抑制し、快適な乗り心地を提供する。
さらに、路面と車両の走行状況による前後駆動力の最適配分と4輪のブレーキの個別制御により、各タイヤの性能をフルに活用し、クルマのコーナリングフォースを発生。ドライバーは、最小限のステアリング操作で思い通りのコーナリングを楽しめるようになると云う。
また、電動駆動4輪制御技術では、雪道などの滑りやすい路面状況においても、繊細なモーターの駆動力やブレーキのコントロールにより、高いライントレース性能を実現。どのような路面状況においても、安心してドライブできるとしている。