日産自動車は、米国・デトロイトで1月14日(月)から開催されている2019年北米国際自動車ショー(NAIAS:North American International Auto Show/デトロイトモーターショー)で、独創的なパッケージやパワートレイン技術を採用し、将来の「ニッサン インテリジェント モビリティ」を体現した電気自動車(EV)のコンセプトカー「Nissan IMs」を世界で初公開した。
「Nissan IMs」は、「2+1+2」の独自のシートレイアウトを採用。回転式のフロントシートと小型アウトボードシートを両サイドに備えた「プレミア」リアセンターシートを装備している。
また、フロントとリアに高性能モーターを採用し、115kWhの大容量バッテリーを搭載したパワートレインは、360kWの出力と800Nmのトルクを発生。一充電あたりの走行距離380マイル(約611km)を実現。
加えて、前後モーターによる4輪駆動システムや、路面の状況と運転モードに合わせて乗り心地とハンドリングを調整できるエアサスペンションも搭載していると云う。
日産のグローバルデザインを担当する専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏は、「EV技術や自動運転技術の革新により、デザイナーは従来の乗用車に求められたプラットフォームやパッケージングのあり方に捉われることなく、まったく新しいスタイルのクルマを創り出すことができるようになりました。『Nissan IMs』はセダンのデザインと機能をあらたな次元へと高めています」と語っている。
[Nissan IMsの特長]
<エクステリア>
「Nissan IMs」のエクステリアデザインは、未来志向のハイテクタッチと、日本伝統の職人技を融合し、 シンプルな縦横のラインで構成。長いホイールベースとウエストライン、特徴的なAピラーやリアウィンドウなど、個性的かつシンプルなシルエットとした。
アルバイサ氏は、「日産の歴史と伝統を振り返ると、初代『ムラーノ』や『Z』 などは、どれもシンプルなシルエットであることに改めて気が付きました。シンプルなデザインは、おのずと高級感を高めます。例えば、直線的でシンプルなトランクラインは、それ自身が高級感を生み出しているのです」 とコメントしている。
また、フロントに日産のデザインランゲージの「Vモーション」を採用。その他、日本伝統の「麻の葉」柄からインスピレーションを得た幾何学模様が、ルーフのスモークガラス表面やホイール、内装などに随所に取り入れられている。
更に、自動運転モードでの走行中は、ヘッドライトとリアのイルミネーションライトがブルーに変わり、前後それぞれのイルミネーションの中央が点滅。歩行者や周囲のドライバーに自動走行中であることをアピールする。
<インテリア>
インテリアの特徴となる「2+1+2」の独自のシートレイアウトは、後席の中心に「プレミア」シートを、その両側に小型アウトボードシートを配置。アウトボードシートの背もたれは倒すことでアームレストになり、座席中央の背もたれをリクライニングしたり、オットマンを使用することもできる。
また、自動運転時には、ステアリングを格納、フロントシートを内側に15度程度回転させ、後部座席と会話のしやすい配置にすることができると云う。
デザインについては、シンプルなエクステリアと対照的に、日本の職人技によるモダン家屋を想わせるハイテク+個性的な印象を演出。
例えば、月面探査機や屏風からヒントを得た計器パネルやドアトリムの形状や、月光と影を表現した暗色のファブリックに光の筋をあしらったデザインなどが採用されている。
また、落ちついたムードの素材とカラーの周囲にライトを配置することで、インテリアに躍動感を与えていると云う。
<グラフィックユーザーインターフェイス>
グラフィックユーザーインターフェイス(GUI)は、スイッチとコントロールの数を最小限に抑えるなど、シンプルなデザインに。
4枚の小型スクリーンから構成される横長の薄型パネルで情報を水平方向に配置することで目の動きを最小限に抑え、ドライバーの負担を軽減。
また、運転席正面に配置した二層式メーターは、一層目に重要な情報のみを表示し、二層目には必要に応じてその他の情報を表示する。
車内に設置されたセンシングプラットフォームは、センサーとカメラの情報を使ってドライバーの状態をモニター。例えば、何らかの理由でドライバーがクルマを制御できなくなった場合には、センシングプラットフォームがその状態を感知して、クルマを安全な場所に停止させる。
<バーチャルリアリティ>
「Nissan IMs」には、CES2019で発表した「Invisible-to-Visible(I2V)」技術も搭載。仮想世界と繋がることでサービスやコミュニケーションの可能性を広げる。また、例えばアバターが車内に現れるなどし、人間のようなインタラクティブな方法で運転をサポートすると云う。
[主要諸元]
– 全長:4845mm
– 全幅(ドアミラー除く):1900mm
– 全高:1500mm
– ホイールベース:2900mm