日産自動車は、ナビゲーションシステムで設定したルートの内、高速道路(*1) の同一車線内での、ハンズオフ走行ができる(*2)世界初となる運転支援システム「プロパイロット2.0」を発表した。今秋日本発売のスカイラインへの搭載が予定されている。
また、日産のブランドアンバサダーの矢沢永吉氏を起用した「プロパイロット2.0」を訴求する新たなテレビCMを、5月17日から放映。CMでは、自動運転の次なるフェーズを目指して先進技術の開発に取り組む同社の姿勢と、新たな時代の幕開けを表現していると云う。
なお、プロパイロット2.0の使用には、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態であることが求められる。
プロパイロット2.0では、ナビゲーションシステムで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとナビ連動のルート走行が可能に。
ルート走行を開始すると追い越しや分岐なども含め、システムがルート上にある高速道路の出口までの走行を支援し、同一車線内でハンズオフが可能に。ドライバーの運転操作を幅広く支援する。
また、ナビゲーションと周囲360度のセンシング情報に基づき、ルート走行中の分岐や追い越しのための車線変更の適切な開始タイミングを判断し、ドライバーに提案。ドライバーがハンドルに手を添えた状態で、承認操作することで、車線変更支援も行う。
プロパイロット2.0では、車両に搭載したカメラ、レーダー、ソナー、GPS、3D高精度地図データ(HDマップ)を組み合わせて使用することで、車両の周囲360度の情報と道路上の正確な位置に加え、高速道路上での周囲の車両の複雑な動きをリアルタイムに把握すると云う。
さらに、ドライバーモニターカメラを装備することで、ドライバーが前方を注視しているかを常に監視する。
*1:高速自動車国道法の定める高速自動車国道、及び、道路法の定める自動車専用道路。
*2:対面通行路、トンネル内、急なカーブ路、料金所・合流地点及びその手前などでは、ハンズオフできない。ハンズオフができない区間に入るときにはシステムが事前にドライバーに報知するので、ドライバーはハンドル操作をする必要がある。
日産副社長の中畔邦雄氏は、このプロパイロット2.0の発表に際して、以下のように話している。
「日産は世界中のお客さまに向けて安全で持続可能な社会の実現を目指す『ニッサン インテリジェント モビリティ』の取り組みのもと、クルマの「電動化」、「知能化」に向けた技術開発を進めています。日産は今後とも『プロパイロット』技術の投入を進めることで、そのリーダーシップを推し進めるとともに更なる安全な交通社会の実現を目指し、クルマの新しい価値を提供していきます」。
[高速道路でのハンズオフ機能作動の流れ]
ナビゲーションシステムで設定したルート上の高速道路の本線に合流し、ナビ連動走行が可能になるとディスプレイの表示と音でドライバーに通知。
ドライバーがスイッチ操作でナビ連動走行を開始すると、設定速度を上限に、先行車両との車間距離を一定に保ちながら車線中央を走行するよう支援。
同一車線走行時にはドライバーが常に前方に注意し、道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限り、ハンズオフが可能となる。
また、前方にドライバーが設定した速度より遅い車両が走行している場合、システムが追い越し可能と判断するとディスプレイへの表示と音でドライバーに提案。ドライバーがハンドルに手を添えてスイッチ操作で承認すると、右車線へ車線を変更する。
追い抜きが完了すると、車線変更可能なタイミングをシステムが判断し、同様の操作で元の車線へと戻る。
なお、ドライバーが自分の意思で車線変更を行いたい場合は、ハンドルに手を添えて方向指示器を操作。システムが車線変更可能と判断すると車線変更を行う。
ルート上の高速道路出口に近づくとディスプレイの表示と音でドライバーに知らせ、連絡路へ分岐した後、ナビ連動ルート走行を終了する。
■(日産自動車)プロパイロット2.0:http://www2.nissan.co.jp/SP/SKYLINE/PROPILOT2/