資料提供:JR東海©NejiLaw(ネジロウ/東京都文京区)は、東海旅客鉄道(JR東海)と、両者互いに保有する技術を組み合わせて、緩み止め性能を向上させた新しい電車線金具を開発(特許出願済)し、この程JR東海の管理する営業線での性能確認試験を開始した。
NejiLawは、発明家の道脇裕氏が代表取締役社長を務める企業で、らせん構造の上時期を覆す新たな構造設計を編み出し緩まないネジを設計・開発したことで、先の2014年に産業革新機構(INCJ)から出資を受けた。
そんな道脇氏は、小学校の頃、自らで休学宣言をして以降、職人達が働く様々な現場で多様な経験しながら革新的な製品設計を手掛けてきたが、今回は、東海道新幹線へ電力を供給するトロリ線に着目した。
東海道新幹線では、金具によってトロリ線を一定の高さに保つことで、パンタグラフを介して列車に安定した電気を供給している。この金具(電車線金具)の健全性を維持するため、これまでは全ての金具について定期的に締結ボルトの状態等を検査してきた。
しかしこの検査作業は、人が至近距離から行う必要があるため、列車が走行しない夜間の限られた時間帯にしか実施できず、また、電車線金具は全線で40万個を超えるため、検査に多大な人員と時間を要していた。
そこで、今後の労働力不足を見据えた検査の省力化を目的に、緩み止め性能を向上させた新しい電車線金具を開発し、営業線での性能確認試験を開始した。その概要は以下の通り。
1.概要(別紙1、2)
・ 夜間に行う電車線金具の検査では、列車通過時の振動で金具の締結ボルトに緩みが発生していないかなどを確認するため、至近距離での目視確認や工具で金具の取付部を叩く打点検を行っていね。また必要により、締結ボルトの増し締めも行ってきた。
・ これらの作業を削減することを目的に、JR東海とNejiLawが開発した一度締めると振動では緩まないL/Rネジの締結技術と、JR東海が持つ電車線金具に関する技術を組み合わせて、新しい金具を開発した。(特許出願済)
・ 同金具は、JR東海の小牧研究施設などで振動試験を行い、振動で締結ボルトが緩むことなく電車線金具として必要な性能を有していることを確認し、その上で営業線での性能確認試験を開始した。
2.導入効果
・ 電車線金具の緩み止め性能が向上するため、設備の健全性がより一層向上する。
・ 電車線金具の締結ボルトの緩み確認の削減が見込まれ、検査の省力化が期待できる。
・ また、増し締め作業が不要になり、作業にかかっていたコストについても削減できる見込み。
3.今後の予定
・ 2026年12月まで営業線での性能確認試験を行う予定。
・ 並行して、三和テッキ、NejiLaw MO IP Innovation、ジェイアール東海商事とJR東海で、量産化の検討を行い2027年度以降の導入を目指す構えだ。
会社概要
商号 :株式会社 NejiLaw
代表者 :代表取締役社長 道脇 裕
本社所在地 :東京都文京区本郷3-23-14 ショウエイビル4F
設立 :2009年7月
資本金 :499,000,000円
URL :http://www.nejilaw.com/
商号 :東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
代表者 :代表取締役社長 丹羽 俊介
本社:愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 JRセントラルタワーズ
本社(東京):東京都港区港南二丁目1番85号 JR東海品川ビルA棟
設立日 :1987年4月1日
資本金:1,120億円
営業収益:11,433億円
URL:https://company.jr-central.co.jp/