NECプラットフォームズは、製造業・倉庫業などあらゆる現場で人の動きをデータ化し、可視化することにより、業務の改善・生産性の向上を支援する「人動線モニタリングサービス」を、5月28日から発売する。
同サービスは、製造ラインや倉庫内に設置したビーコン(注1)と、作業員や台車に取りつけたスマートフォンの通信で人の動きをモニタリングして見える化。工程の遅延やライン停止が発生しやすい場所や人を特定し、改善につなげるとしている。
NECプラットフォームズが同システムを自社工場に導入し実証実験を行った結果では、10万通りにのぼるBTO(注2)製品の多品種混流生産に起因して発生していたライン停止時間を、54%短縮することに成功。
シンプルな仕組みと、必要最低限の機能を採用し、定期定額制で、手軽で安価な導入が可能だと云う。
なお、同社は、2020年度までに人動線モニタリングサービスを1,000件契約(注3)する計画で、IoT関連事業をさらに強化するとしている。
[価格、販売開始日]
<名称、希望小売価格(税別)、販売開始日>
人動線モニタリングサービス、年額206,000円~(※)、2018年5月28日
※スマートフォン、ビーコン、ネットワークシステム等のハードウェアは含まず。
[システムの特長]
1.スマートフォンとビーコンで手軽に現場の見える化を実現
身近あるスマートフォンと、低消費電力・電池駆動で設置の自由度が高い低価格(4,000円前後/1個)のビーコンを組み合わせたシンプルな機器構成で、作業者動線の可視化とデータ収集が可能。
大がかりな設置工事や電源工事が不要なため、初期投資を低額に抑えられ、クラウド利用による定期定額制で、低コストで手軽な導入を実現。年額利用料20万6千円(スマートフォン5台での最小契約)からのスタートが可能。
2.管理者端末では作業者の位置や移動軌跡、滞在時間等をわかりやすく表示
近接ビーコンから位置情報を取得した作業者のスマートフォンは、回線またはWi-Fi無線で情報をクラウドサーバへ送信。
クラウドサーバは、位置データ蓄積機能と可視化機能を有し、管理者端末(PC、タブレット等)のダッシュボード画面でその情報が閲覧できる。
情報は作業者毎に色分けされ、現在位置(マップ)、移動軌跡(マップ)、滞留時間(マップ・グラフ)、移動距離(グラフ)を視覚的にわかりやすく表示する。
3.自社工場での実証運用により継続的な機能強化を実現
自社工場(NECプラットフォームズ 甲府事業所)の実証運用では、10万通りにのぼるBTO製品を扱い、多品種混流生産を行うラインに対して、ライン停止の原因を把握するため部品供給作業者の動きをモニタリングして分析。
1日の生産品種/台数が毎日変わる中、部品供給サイクルタイムの短縮策と臨時部品供給による遅れ挽回策などの改善施策を実施した。
これによりライン停止時間は54%短縮され、生産性を大幅に向上した。
また、自社運用する中でのシステム改良や、顧客の声・ニーズのフィードバックで、継続的な機能強化を行い、さらなる価値向上を図る。
NECプラットフォームズでは今後、自社の生産管理者を「IoTアドバイザ」としてSS(Sales Support)要員に起用し、現場目線で顧客の抱える課題を解決、中堅・中小のものづくり企業のIoT化に貢献するとしている。
(注1)近距離無線通信規格Bluetoothなどを活用した信号の発信機。
(注2)BTO: Build To Order (受注生産方式)
(注3)1契約とは管理部門におけるダッシュボード契約数。
■NECプラットフォームズ・人動線モニタリングサービスのHP:
https://www.necplatforms.co.jp/solution/i-iot/hito/