日本電気(NEC)は、8月7日、同社の顔認証システムが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)関係者の会場入場時の本人確認に採用されたと発表した。
大会関係者の入場に顔認証システムを活用するのはオリンピック、パラリンピック競技大会で史上初となると云う。
世界中から数多くの選手や大会関係者、観客が訪れると予想される東京2020大会は、開催を2年後に控え、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会などが中心となり、史上最もイノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらす大会の実現を目指して(注1)、安全かつ円滑な大会運営に向けた準備が進められている。
NECは、東京2020大会で、同社の生体認証「Bio-IDiom」(注2)の中核技術で、世界No.1の認証精度(注3)を有する顔認証AIエンジン「NeoFace」(注4)を活用した顔認証システムの導入で、選手やスタッフ、ボランティアなどの大会関係者約30万人を対象に、すべての大会会場で顔とIDカードを組み合わせた厳格な本人確認を実現するとしている。
具体的には、ICチップを搭載したIDカードと事前に撮影・登録した顔画像をシステム上で紐付けし、大会会場で関係者エリアの入場ゲートに設置した顔認証装置を用いて、顔とIDカードによる本人確認を行う。
また、顔認証装置は、IDカードを読み取り機に着券すると即座に顔認証を行うため、スムーズな認証ができるとのことだ。
これにより、IDカードの貸し借りや盗難によるなりすまし入場、IDカード偽装による不正入場を防止。さらに、入場ゲートでの人手による本人確認作業の負荷を軽減し、混雑発生を防ぐ。
NECは、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響などの生体認証技術を有しており、これまで70以上の国や地域に700以上のシステムを導入。こうした豊富な実績・ノウハウを活かし、東京2020大会の安全・安心かつ円滑な運営をサポートするとしている。
(注1)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会「大会ビジョン」:https://tokyo2020.org/jp/games/vision/
(注2)「Bio-IDiom(バイオイディオム)」は、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響など、NECの生体認証の総称。NECの生体認証:https://jpn.nec.com/solution/biometrics/index.html
(注3)NEC、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術ベンチマークテストで4回連続の第1位評価を獲得:http://jpn.nec.com/press/201703/20170316_01.html
(注4)顔認証AIエンジン「NeoFace」:http://jpn.nec.com/solution/face-recognition/