モレックスは米中西部(イリノイ州デュページ郡ライル)時間の7月6日、独・BMWグループより、米国当地の生産車両向けの自社の次世代EV向けバッテリーセル触媒システム(Volfinityセルコンタクティングシステム)が採択されたと発表した。
モレックスによると2018年に開発された当該のVolfinityセルコンタクティングシステムは、EVに搭載されるバッテリーモジュール内のセルを制御基盤に接続するインターフェイス・ソリューションだとしており、それは実装が容易で、かつデイジーチェーン配線の必要性を排除することが出来るとされている。
またこのソリューションは、統合されたセルセンシング機能、セルのモニタリングおよびバランシング要件、温度測定機能などの要求基準をクリア。BMWグループが求める安全要件の全て満たすよう設計されているという。
但し同発表には、BMWグループとの契約数量や財務詳細に関する情報は含まれていない。また、どのモデルで当該の接触システムが使用されるかについても言及されていないが、BMWは車両工場からほど近いウッドラフに高電圧バッテリーの組立工場を建設していることから、おそらく同バッテリーセル触媒システムは、サウスカロライナ州スパータンバーグの米BMW工場へ納入されるものとみられる。
モレックスのマイクロソリューションビジネスユニットを担当するバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのスティーブ・ドライスデール氏は、「セルコンタクティングシステムでのアワード受賞など、モレックスがEVの蓄電池領域で競合他社との比較優位性を持ち、BMWグループからの要求に応えられるだけの実力を持っていることを今回の受注で証明することが出来ました。
なお当該システムでは、接触システムのコンポーネントを所定の位置に保持する軽量で絶縁性の高いプラスチックトレイで構成されています。
中央の銅バスバーがプラスチックトレイを貫通しており、そこから個々のアダプター プレートがそれぞれのセルに分岐します。またバスバーの設計は、各セルの個別のケーブルを置き換えることを目的としています。
これはバッテリーモジュールの高さと重量を大幅に増加させないことを目的としており、更にVolfinityセルコンタクティングシステム自体は、角形セルと円筒形セルの両方と互換性があります。
これからも我々グローバルチームは、BMWグループとの協力体制のもとVolfinityセルコンタクティングシステムの技術水準を更に高めることも踏まえて、今後も求められる多様な要請を満たしていくべく尽力します。
そもそもこのようなBMWグループとの技術要件に係る挑戦は、未来に向けて革新的な技術革新を生み出すことに繋がります。我々は同社の技術領域に於ける真のパートナーとして、今後、彼らに役立っていくこと自体が大きな励みとなります」と述べた。