マツダは4月23日、同社研究者が、日本機械学会より、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」の開発において2020年度日本機械学会賞(技術)を、また広島大学との共同研究によるモデルベース開発(MBD/*1)教育カリキュラムの策定とその実践において日本機械学会教育賞を受賞したと発表した。
日本機械学会賞は、「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的に、日本機械学会によって1958年に設けられたもので、毎年、優秀な論文や技術などが表彰されている。
[受賞概要]
■日本機械学会賞(技術)
– 受賞対象:火花点火制御圧縮着火を導入した新型ガソリンエンジンの開発
– 受賞者:
・漆原 友則 マツダ株式会社
・遠藤 孝次 マツダ株式会社
・江角 圭太郎 マツダ株式会社
・井上 淳 マツダ株式会社
・末岡 賢也 マツダ株式会社
– 主な評価内容:
乗用車用量産ガソリンエンジンとして世界で初めて(*2)高圧縮比化と希薄/希釈燃焼による火花点火制御圧縮着火燃焼(SPCCI/*3)方式のエンジンを開発し、エンジンの熱効率改善を通じてCO2排出低減に貢献していることなど。
■日本機械学会教育賞
– 受賞対象:モデルベース開発(MBD)教育カリキュラムの策定とその実践
– 受賞者:
・脇谷 伸 広島大学
・山本 透 広島大学
・原田 靖裕 マツダ株式会社
・足立 智彦 マツダ株式会社
・森重 智年(*4) マツダ株式会社
– 主な評価内容:
製品開発に携わるエンジニアに向けたモデルベース開発(MBD)概念の浸透促進の課題に対し、2016年「モデルベース開発人材育成研修」の実施、ひろしま自動車産学官連携推進会議(*5)主導の産学官連携によって構築した2017年「モデルベース開発プロセス研修」の実施、2018年には同教育カリキュラム内容を学習用教材として出版するなど、これまでにマツダ社内のみならず多くの地域企業を対象に1,500名以上の人材育成に貢献したことなど。
マツダは、今後もクルマ本来の魅力である「走る歓び」によって、美しい「地球」と心豊かな「人」・「社会」を実現し、人の心を元気にすることにより、ユーザーとの間に特別な絆を持ったブランドになることを目指すとしている。
*1)MBD:Model Based Development。
*2:マツダ調べ。
*3)SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition):火花点火制御圧縮着火の略。
*4:広島大学 特任准教授を兼任。
*5)ひろしま自動車産学官連携推進会議:(設置時期)2015年6月11日。(目的)広島地域の自動車産業を活性化するための旗印として掲げた「2030年産学官連携ビジョン」の着実な実現。(常任団体)ひろしま産業振興機構、マツダ株式会社、国立大学法人広島大学、中国経済産業局、広島県、広島市。
■日本機械学会:http://www.jsme.or.jp/
■(マツダ)マツダ技報「マツダの目指すモデルベース開発」(PDF):https://www.mazda.com/contentassets/3a869ccb111c49a488e32a6e19752d4a/files/2013_no010.pdf