マツダは6月10日、マツダ独自の塗装技術「匠塗TAKUMINURI(たくみぬり/*1)」による特別塗装色「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」を開発したと発表した。この新色は、今夏欧州から導入される新型「マツダCX-60(*2)」をはじめ、ラージ商品群を中心に順次採用される予定。
マツダでは、“カラーも造形の一部”という考えに基づいて、「魂動(こどう)-Soul of Motion」デザインのダイナミックかつ繊細な面構成を際立たせるカラー開発に注力。「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」では、魂動デザインのテーマでもある「日本の美」「引き算の美学」に基づき、雑味のないピュアな白さと、粒子のきめが細かく、面による陰影表現を際立たせる金属質感を両立させたと云う。
<ロジウムホワイトプレミアムメタリックの特長>
・匠塗を進化させることで、優れた表現性を持つカラーを、クリア層、反射層、カラー層(発色層)の三層のみで量産化することに成功。
■カラー層(発色層)
・従来、下地が透けやすく、他の色より塗膜が厚くなる傾向にあった白系色に新開発の白色顔料を採用することで、絹のようなきめ細かな白さを表現すると共に、塗膜の厚さを従来比で約30%削減(*3)。これにより、省資源化のみならず、生産工程でのCO2排出削減にも貢献。
■反射層
・極薄の高輝度アルミフレークを含んだ塗料を均一な厚みになるように精密に塗装した後、乾燥過程で体積を大幅に収縮させる手法を採用。一般的な反射層の約15分の1である約0.5ミクロンにまで極薄化した塗膜の中に、職人が手塗りしたかのような、アルミフレークが一定間隔で平滑に並んだ状態を形成し、光の当たる面全体が強く輝くリアルな金属質感を表現(*4)。アルミフレーク一つひとつを均一に分散しながら、その角度をボディ曲面に並行に沿わせることで、明度の高い白であっても艶やかさと光が当たった時の陰影感を演出している。
マツダは、今後も“カラーも造形の一部”という思想の下、新しいカラー表現やそれを実現する塗装技術を追求し、製品の魅力を高めることで、ユーザーとの特別な絆を持ったブランドとなることを目指すとしている。
*1: 熟練職人が手塗りしたような精緻で高品質な塗装を、量産ラインで実現するマツダの塗装技術。今回開発したロジウムホワイトプレミアムメタリックは、ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリックに続く第3弾の塗装色。
*2: 日本には今年の初秋に導入予定。
*3: マツダ既存の白系色「スノーフレイクホワイトパールマイカ」との比較。
*4: マシーングレープレミアムメタリックでも同様の手法を採用。