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2024年5月30日【ESG】

マクセル、全固体電池の作動上限温度を150℃に引き上げ

坂上 賢治

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高い耐熱特性により、従来電極仕様品比約 5 倍のサイクル数を実現

 

マクセルは5月30日、全固体電池の電極技術を発展させ、作動上限温度を150°C に引き上げる技術開発に成功した。

 

昨年 6 月に量産開始したセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」は従来のリチウムイオン電池では使用できなかった高い温度域で使用可能なことから好評を得ている。

 

その間、多岐に亘る分野にて採用やサンプル評価が実施されるなかで、これまでに「PSB401010H」の放電上限温度である125°Cを超える用途での使用要望を多数得た。但し、その対応には、医療向け滅菌工程や半導体製造工程、車載用途など高温環境下で設備周辺の温度やその他の情報をセンシング・モニタリングすることが必要な分野となる。

 

 

しかし同社は同要望を受け、全固体電池の使用用途を拡大すべく耐熱特性向上の開発を進め、その過程で全固体電池の劣化メカニズム解析により、正極活物質と固体電解質との界面での副反応が高温に於ける劣化の主要因であることを突き止めた。

 

そこで同社は、電極の材料や配合などの電極設計を大幅に見直すことで、150°Cの高温下で充放電を繰り返すサイクル試験に於いて、放電電圧が1.0V に低下するまでのサイクル数を従来電極仕様品との比較で約5 倍(セラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」との比較)に向上させることに成功した。

 

今後は当該技術を応用した製品開発を進めることで、高温下での電池寿命の減少により発生していた頻繁な電池交換工数の削減に繫がる他、高温下でのセンシング・モニタリングが行えるため、より高精度な設備制御による生産歩留や品質の向上が期待できる。

 

 

マクセルでは、「多くの社会課題を解決するため、既存の電池では使用できなかった領域の用途にも使用できる、長寿命、高耐熱、高出力、大容量の 4 つの軸で、高性能で信頼性の高い全固体電池の開発を進めています。

 

今後も全固体電池のラインアップを充実させるとともに、無線給電やエナジーハーベスティングなどの技術と全固体電池を組み合わせたモジュール製品の検討も進め、製品を通して社会課題の解決に貢献することを目指していきます」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。