(左)フェーズ 1 の実証実験で使用するロボット
(右)フェーズ 2 以降の実証実験での使用を検討しているアーム付きロボット
藤田医科大学(以下「藤田医大」)と川崎重工業(以下「川崎重工」)は10月18日、政府が提唱するSociety5.0の具現化に向け藤田医大が目指すスマートホスピタル構想実現に向けた取り組みの一つとして、2021年10月23日より藤田医科大学病院にてサービスロボットの実証実験を開始すると発表した。
日本では、高齢化に伴う患者数の増加や労働人口減少による医療従事者の確保への対応が課題となっている。とくに新型コロナウイルス感染症と戦う最前線の医療現場においては、感染予防の観点からロボットをはじめとする非接触サービスへの期待は非常に高いといえる。
藤田医大は、これまで国産初の手術支援ロボット「hinotori」などの手術支援ロボットをはじめ、リハビリロボット、調剤ロボットなど“人”と“ロボット”が共存する環境整備を先駆的に進めてきた。2021年8月には、それらをさらに発展させるため、藤田医大・川崎重工間において近未来モビリティ事業開発、実証試験に関わる相互協力および自動PCR検査ロボットを用いた検査事業に関わる業務委託契約を締結。共同研究ラボを設置するとともに、それらに先駆け、自動PCR検査ロボットの研究に取り組んでいる。
実証実験では、川崎重工のサービスロボットを藤田医科大学病院内のインフラ・IT システムと連携させ、安全・安心を確保しながら検体や医薬品などの院内の物資搬送に活用することを目指す。院内の物資搬送から実証実験を開始し、将来的には院内の誘導や買い物代行など、活用の幅を順次拡大予定。2022年度に藤田医科大学病院での導入をめざし、病院内での運用を視野に入れた実証実験を進めていく。
今回の実証実験を通じて藤田医大と川崎重工は、それぞれの知見を活かしスマートホスピタルを実現することで、医療現場における労働力不足の解消や医療従事者の負担軽減、また、新型コロナウイルスの感染防止対策など社会の課題解決に寄与していきたいとしている。
■サービスロボット実証実験について
実施場所/藤田医科大学病院(愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1番地98)
実証目的/従来業務方法をサービスロボットで代替することによる課題抽出
実証実験は、【フェーズ1~3】の3段階を予定している。
【フェーズ1】
実証内容:自律走行機能を有したロボットによる同一フロア内搬送の検証+人のエレベータ操作補助あり別フロア移動の検証
時期:2021年10月23日(土)~10月31日(日)
【フェーズ2】
実証内容:自律走行機能・エレベータ連携機能を有したアーム付きロボットによる別フロア間搬送の検証
時期:2022年1月頃
【フェーズ3】
実証内容:多用途アーム付きロボットによる病院内作業と病院側システムとの連携検証
時期:2022年4月以降